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今月のふせん絵 第16回 シトロエン2CV

EPSON MFP image

◆40年間製造されたシンプル設計の誕生秘話


醜いアヒルの子とも呼ばれる「2CV」のデビューには逸話がある。時は1935年。南フランスに赴いたシトロエン副社長ブーランジェは、まだ農民が手押し車で荷物を運んでいたことに驚いた。パリはもうクルマで溢れていたのに。そこで彼はすぐにエンジニア達に「乗員4名、50kgのジャガイモを運べて、悪路でもかごに満載した卵を割らず、時速50km出せるクルマを作れ」と命じた。

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彼らはこの難問を見事に解決し、シトロエンは1948年に2CVを登場させた。ブリキ細工みたいなクルマに賛否も起こったが、このクルマのターゲットである農民たちは、2CVの持つ本質に気づいた。明確なコンセプトと徹底的にシンプルな設計により2CVは長い間親しまれ、1990年まで製造されるベストセラーとなった。


【イラスト/文 遠藤イヅル】
フリーのカーイラストレーター/ライター。東京都出身。自動車雑誌、WEBサイトにクルマをテーマにしたイラストや記事を多数提供。世界各国の生活感があるクルマを好み、20年間で18台のクルマを乗り継ぐ。クレイジーなほど深くて混沌としたクルマ知識を持つ元自動車系デザイナー。自身のクルマ体験をもと、独創的な視点で切り込むイラストやインプレッション記事は、他にないユニークなテイストとして定評がある。2015年7月現在の愛車はプジョー309SI。最新の掲載誌は遠藤イヅルのfacebookで確認!

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