ミニバン中古車オススメランキング 2016年冬

コリズム編集長で車評論家の大岡氏に、この冬おすすめの中古車・ミニバンを聞きました。
しかも今回は、中古車選びの醍醐味でもある「知名度が低く新車では人気薄のため、実は非常に良いクルマなのにお買い得！」な安くて良いクルマも、「裏車種」として厳選してもらいました。

日産 セレナ

2010年に登場したセレナ。モデル末期に入って来たとはいえ、未だ現行車。
最新モデルは、マイルドハイブリッド機能や歩行者検知式の自動ブレーキなどが装備され、年式が新しくなるほど完成度を増している。販売台数も多く、価格もこなれてきているので買い得感は高い。
トヨタノア

イカツイ顔が人気のミニバンの中で、先代ノアはやや柔和な顔をしていたこともあり、ヴォクシーほど人気は無かった。そのため、中古車ではやや買い得感があり、現行モデルの中古車もマーケットに流れ始めてきているので、より買い得感が出てきている。
圧倒的な人気を誇ったモデルだけに、こちらも完成度の高いミニバンだ。
三菱 デリカD:5

現行モデルでも、デビューは2007年と古い。その間、何度も改良が加えられてきて徐々に進化している。また、古いとはいえ現行車なので、見栄えも良い。さらに、2013年1月から2.2Lクリーンディーゼルエンジンを搭載したモデルが投入された。
ミニバンでクリーンディーゼルエンジンを搭載するのはD:5のみ。このユニーク性で裏3位としている。

燃費・経済性

セレナ

初期の現行モデルで14.6㎞/L程度で、最新モデルでは15.4㎞/L前後の燃費となっていて、2.0Lガソリン車のミニバンとしてトップレベルを維持している。2012年モデルなら、190万円前後の価格帯が中心。現行車なので、価格はまだ高めだ。
ノア

先代ノアのデビュー当時年式である2007年モデルでは、10・15モードで14.2㎞/L前後の燃費値となっている。そして、フルモデルチェンジ直前のモデルはJC08モードで14.4㎞/Lとなっている。
初期モデルの燃費は、現在の燃費値レベルでみると今ひとつといった印象だ。先代モデルということで、価格は随分安くなってきており2012年モデルで160～200万円が相場といったところ。180万円程度あれば、良質なモデルが十分に手に入る。
デリカD:5

D:5には、2.0Lと2.3Lのガソリン車、そして2.2Lのクリーンディーゼル車がある。このクラスでは、唯一のクリーンディーゼル車がお勧め。クリーンディーゼル車は2013年1月から発売されているので、かなり高年式になる。新車ではエントリグレードのDパワーパッケージが3,526,200円だ。
このクリーンディーゼル車の燃費は13.6㎞/L。ガソリンに比べ軽油は20円/L以上安いので、燃料費としては圧倒的な経済性を誇る。このグレードの相場は、2013年式で250～300万円程度。4WDということもあり、車両価格はやや高価だが燃料費の経済性は非常に高い。

装備・使い勝手

セレナ

セレナの3列目シートは、左右跳ね上げ式。そのため、3列目シート下にはラゲッジアンダーボックスがあり、長尺物の積載が可能。ゴルフバックなども縦積みできる。お勧め装備は、歩行者検知式の自動ブレーキ「エマージェンシーブレーキ」。
高年式のモデルを購入するのなら、高い安全性能を誇るこの装備が付いているモデルを選びたい。
ノア

ノアも3列目シートは左右跳ね上げ式を採用。跳ね上げの作業は女性でも簡単にできる。年式が古いタイプで特に注意したいのが、横滑り防止装置（VSC）が装備されているかどうか。横滑り防止装置は、今では法律で装備が義務付けられているほど重要な安全装備。当時はオプション設定だったモデルも多いので、シッカリとチェックしたい。
また、2列目中央席のシートも前期モデルでは2点式になっている。2列目中央に子供などを座らせることが多い人は、より安全な3点式シートベルトを装備したモデルを選びたい。
デリカD:5

このクラスでは、かなり本格的な4WD機能である電子制御4WDが装備されている。2WDでの走行モードや、4WDオート、走破性を高める4WDロックと、ドライバー自らが選択できる機能が用意されている。降雪地に住んでいたり、ウインタースポーツなどを積極的に楽しんでいたりする人にお勧めなミニバンといえる。
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走行性能

セレナ

最新のミニバンと比べるとやや分が悪いが、現行車だけあり走行性能は一定水準以上。静粛性や乗り心地も良好だ。とくに、モデル途中から加わったマイルドハイブリッド機能を搭載したSハイブリッドは、アイドリングストップ時からの再始動が静かで振動も少ない。ハイブリッド車を除けば、かなり高い静粛性をもっている。アイドリングストップは、街中では何度も繰り返されるだけに、多少無理をしてでもSハイブリッドを選択したほうが満足度は高い。
ノア

先代モデルであり設計も古いので、ハンドリング性能や乗り心地は、さすがに古さを隠せない。それでも、大きく差があるというほどではないので、安心して乗れる。ノアには、トヨタのチューニングモデルであるG'sが用意されていた。G'sは、専用サスペンションやボディ剛性を高めるなどのチューニングが施され、ミニバンなのにビックリするくらいシッカリとした走りができる。
デリカD:5

クリーンディーゼル車の最大トルクは、360Nmと自然吸気の3.5Lエンジン並み。そのため、非常に力強い加速を誇る。とくに、高速クルージングでは、余裕のある走りが可能。この最大トルクのおかげで、アクセルの操作量も減り疲労軽減のメリットもある。使用する燃料が経由で安いことも後押しし、どんどん遠くへ行きたくなるミニバンだ。

デザイン

セレナ

必要以上に強面にせず、クリーンな印象なので全体的に好感度の高いデザインとなっている。エアロパーツを装着したハイウェイスターは、とくに人気が高い。また、セレナにはハイウェイスターの他に、ライダーやブラックライン、エアロモードなど多彩の外観をもつグレードが存在する。ハイウェイスター以外は、流通量こそ少ないが注目度は高い。
ノア

強面ミニバンが人気のため、ノアのようなファミリーを意識した優しい顔はイマイチ人気が高まらない。最近のミニバンは、そうした傾向が強いためか、ノアのような柔らかなミニバンの方が目立つようにも感じる。
デリカD:5

いかにもオフローダー的なルックスは、最近のミニバンとは一線を画する。こうしたスタイリングをもつのはD:5だけ。高い4WD性能をイメージさせるデザインでもある。いたずらに迫力ばかり追い求めるミニバンが多い中、逆に新鮮で品のあるアクティブなスタイルは好感度も高い。

中古車値引き交渉術

全般的にミニバンは中古車でも人気が高い。そのため、やや売り手が有利な展開となる。セレナの流通量は多いので、異なる店舗同士で競合させてみるといい。
近隣にそうした店舗が無い場合、先代ヴォクシーや先代ステップワゴンと競合させよう。セレナは2016年秋頃までにはフルモデルチェンジするというので、旧型になっても安くなる方がよいと考えるのなら、新型が出てからが買い時だ。

ノアは、意外と流通量が多くない。そのため、競合させる相手はヴォクシーやセレナ、ステップワゴンなどがいい。ノアは、それほどミニバンの中で人気が高いとは言えないので、値引き交渉に応じてくる可能性が高い。あくまで、価格が安い方がいいという姿勢でのぞんでみるといいだろう。

D:5は、ただでさえ流通量が少ない上にクリーンディーゼル車となると、さらに少なくなる。商談時には、クリーンディーゼルや4WDに魅力を感じているとは言わないことが基本だ。
D:5だけのユニークなセールスポイントなので、こうした発言をすると営業マン側の思うつぼ。D:5もいいなぁ、くらいに止めておき、エスティマハイブリッドあたりと競合させよう。