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今月のふせん絵 第12回 アウトビアンキ A112
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◆蠍が人気を博したFF先行量産車
「A112」は、イタリアの「アウトビアンキ」が1969年から1986年まで生産していた小型車。とくにアバルトがチューンしたA112アバルトは日本でも人気を博した。アウトビアンキは当時、巨大なフィアットが新しい技術にチャレンジする前にテスト的に販売する「先行量産車メーカー」のような存在であった。その頃はRR(リアエンジン・リアドライブ)だったフィアットが、その方針をまさに180度転換して FF(フロントエンジン・フロントドライブ)へ移行する際、アウトビアンキ・プリムラという車種がその先行量産車の任にあたった。そこで市場の反応などを見て、後に128を発売した経緯がある。このA112もフィアット系のFF車としてはかなり早い時代にデビューしたクルマであった。
【イラスト/文 遠藤イヅル】
フリーのカーイラストレーター/ライター。東京都出身。自動車雑誌、WEBサイトにクルマをテーマにしたイラストや記事を多数提供。世界各国の生活感があるクルマを好み、20年間で18台のクルマを乗り継ぐ。クレイジーなほど深くて混沌としたクルマ知識を持つ元自動車系デザイナー。自身のクルマ体験をもと、独創的な視点で切り込むイラストやインプレッション記事は、他にないユニークなテイストとして定評がある。2015年7月現在の愛車はプジョー309SI。最新の掲載誌は遠藤イヅルのfacebookで確認!