30kWhの新型リチウムイオン電池搭載で航続距離280㎞!


日産は電気自動車であるリーフを大幅マイナーチェンジをし、発売を開始した。
日産リーフ
日産リーフ エアロスタイル

リーフの歴史

日産リーフは2010年12月にデビューし、そろそろ6年目に入る。デビュー当時のリーフは、航続距離200㎞を誇り、充電の不安を解消するためITを駆使した充電ポイントの検索、スマートフォンを使った充電およびエアコンの遠隔操作などができ、まさに近未来を感じるクルマだった。また、インフラ整備がEV普及に絶対必要と考えた日産は、日産販売店への積極的な急速充電器や普通充電器を設置し、自らもインフラ整備に取り組んだ。クルマだけでなく、そうした総合的な取り組みも評価されリーフは2011-2012日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。

また、リーフは24kWh という大容量の電池を搭載していることから、蓄電池としての機能もアピールする。クルマから家に給電できるリーフtoホームを提案するなど積極的に電気自動車を使った新しい世界観をアピールする。そして、モデル途中では、電池容量はそのままに大幅な改良を施し航続距離を228kmに伸ばした。数々の改善と新たな提案をし続け、徐々に販売台数を伸ばしてきている。

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マイナーチェンジのポイントは航続距離


今回マイナーチェンジでは、EVの要であるリチウムイオン電池を進化させた。電池容量は、24kWhから30kWhへアップし航続距離を280㎞まで伸ばした。なぜ、航続距離を伸ばすのかというと、電気自動車を買わない理由のひとつとして航続距離の短さが上げられているからだ。この買わない理由に上げられた航続距離の短さへの不安を少しでも解消するために30kWhの電池が搭載されている。

日産リーフ 30kWhリチウムイオン電池

確かに電気自動車の航続距離は、基本的に電池容量=航続距離になる。ただ、そう単純なものではなく、電池容量を増やせば重くなり、重くなると電費が悪くなり非効率になるからだ。また、多くの電池を積むには、クルマのスペース的に制約がある。

日産は、そこで新型リチウムイオン電池の開発をした。高容量の新材料を使用し、従来のバッテリーパックサイズを維持しながら、リチウムイオンの高充填化と、バッテリー内部抵抗の減少を実現した。この新バッテリーにより、室内のスペースを損なうことなく航続距離を280kmとしている。電池容量が増えているが、今まで通り約30分で80%程度までの充電が可能となっている。

電池の保証を伸ばしユーザーの不安を解消

そして、一般ユーザーが不安に思っているリチウムイオン電池の寿命についても、日産は新たな回答で対応する。電池の劣化は、航続距離が短くなるからだ。今回のマイナーチェンジで登場した30kWh電池は、なんと、「8年16万km」までの容量保証とした。これだけ長い保証であれば、ほとんどバッテリーの劣化による航続距離の不安はないと言っていいだろう。ただし、24kWh の車両も併売されるが、従来の24kWhバッテリー車は5年10万㎞保証のままだ。

リーフの安全性能


電気自動車としての価値をアップしただけでなく、安全性能も向上した。「エマージェンシーブレーキ(自動ブレーキ)」と「LDW(車線逸脱警報)」を全車に標準装備したのだ。リーフに装着された自動ブレーキは、歩行者検知式。車両などに関しては約10~80km/hの範囲で作動。歩行者に対しては、約60km/h未満で作動する。対車両の速度上限80㎞/hは、少々物足りなく高速道路でも十分に自動ブレーキのメリットが出るように100㎞/h以上からの作動する自動ブレーキが欲しいところだ。

日産リーフ 歩行者検知式自動ブレーキ「エマージェンシーブレーキ」

その一方で、歩行者検知式自動ブレーキ機能は高く評価できる。交通事故で死亡する人の多くは歩行者であり、衝突速度が30㎞/h以上になると、致死率は急上昇する。つまり、最悪衝突したとしても速度を30㎞/h以下にすれば、死亡者にならない可能性が高くなるということだ。そういう視点で、日産の自動ブレーキは60㎞/h未満までなら対応するので、歩行者死亡事故減のための効果がある。

また、こうした装備を顧客任せにせず全車に標準装備した点も高く評価できる。クルマの購入時に予算をケチった顧客に、運悪く轢かれてしまったのではシャレにならない。交通死亡死「ゼロ」を本気で目指すのであれば、こうした歩行者検知式自動ブレーキは全車標準装備化が当然ともいえる。いずれ国交省に標準装備化を義務付けるられる前に、自ら標準装備化した日産はブランドイメージも向上する。

スポーティなグレード、エアロスタイル登場


今回のマイナーチェンジでは、電気自動車の走りを楽しむための新しい制御も入った。エアロパーツ類を装備したスポーティなグレード「エアロスタイル」に、専用のファインレスポンスVCM(Vehicle Control Module)を採用。走行性能を制御するVCMを専用チューニング。アクセルを踏み込んだ時の反応を向上させることで、さらに軽快で伸びのある電気自動車らしい気持ちのいい加速性能を実現した。

長く乗るなら30kWhを選ぼう


さて、日産リーフの選び方。リーフは国の購入補助金(クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金)を受給することができる。24kWhバッテリー搭載モデルは補助金が最大27万円となり、およそ246万円から。30kWhバッテリー搭載モデルは補助金が最大51万円。およそ261万円から購入できる。

この補助金の金額が大きく違うことが、リーフの選びに多いな影響を与える。まずは、バッテリー容量の選択。24kWhか、30kWhかという選択だが、エントリグレード比較では、価格差がわずか15万円。30kWh 車は、補助金が多いので、かなりお得感が出ている。さらに、30kWh新型バッテリーで8年16万キロ保証なのに対して、24kWhバッテリーは5年10万キロ保証のまま。長く乗るのであれば、迷わず30kWh車を選んだ方が良いだろう。

選ぶならどのグレード?!

リーフのグレード選びはむずかしい。エントリグレードのSは、ひとつ上のXグレードに比べると約45万円も安い。自動ブレーキも付いているので、シンプルに乗るならこれでも十分。予算重視ならSグレードというのもいいだろう。ただ、日産も価格を抑えるために、古典的な装備といえるオートライトまでもSとXにはオプション設定としている。今時、軽自動車でも標準装備されている装備なので、こんな部分まで削らなくてもいいと思う。

Sが他のグレードと大きく違うのは、ヒートポンプシステム(省電力暖房システム)が装備されていないところだ。そうなると、満足度が高いのはX以上ということになる。Xと最上級グレードGの差は、約37万円。Xには、LEDヘッドライトが無いので、これが75,600円。LEDライトくらいは装備したいと考えると、価格差は約30万円だ。これ以外、大きな差があまり無いので、Xで十分満足できるだろう。エアロスタイルは、かなり高価になる。このグレードは好みの問題だ。

今のところ、リーフを購入する場合、乗り潰すつもりで購入したい。これから、数年後どうなるかは分からないが、リーフのリセールバリューはあまり高くない。中古のリーフを見ると、ビックリするくらい安い価格で売られている。中古車マーケットであまり人気の無いモデルとなっているからだ。つまり、短期間での乗り換えには向かないクルマということになる。こうした部分も頭に入れて、購入を考えるといだろう。

価格


日産リーフの価格は以下の通り。

リーフ24kWh仕様

・S 2,803,680円
・X 3,254,040円
・G 3,624,480円
・S エアロスタイル 3,106,080円
・X エアロスタイル 3,578,040円
・G エアロスタイル 3,894,480円

リーフ30kWh仕様

・S 3,197,880円
・X 3,648,240円
・G 4,018,680円
・S エアロスタイル 3,500,280円
・X エアロスタイル 3,972,240円
・G エアロスタイル 4,288,680円

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