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◆ラリーを席巻した小型軽量スポーツ
【イラスト/文 遠藤イヅル】

◆ラリーを席巻した小型軽量スポーツ

1960年代後半から1970年代前半のラリーを席巻した、素晴らしく小さく、素晴らしく速いフランスのスポーツカー。ルノーの代理店をつとめていたジャン・レデレ氏は、1950年代のルノーの量産車4CVをチューンしてレースに参戦、やがて4CVをベースにしたスポーツカーの製作に着手する。それがA106だった。
その後ベースをドーフィンとしたA108、ルノー8にしたA110へと発展していくが、いずれもリアエンジンという設計は不変だった。A110の排気量は当初1.1リットルだったが、1.3リットル、1.6リットルへと排気量を拡大しつつ1977年まで製造されたが、最後まで軽量スポーツカーの性格が変わることはなかった。なお、A110の形式は、ベースとなったルノー8がR1110であったことから取られている。これはA106の元、4CVがR1060だったことからの流れだった。

【イラスト/文 遠藤イヅル】

フリーのカーイラストレーター/ライター。東京都出身。自動車雑誌、WEBサイトにクルマをテーマにしたイラストや記事を多数提供。世界各国の生活感があるクルマを好み、20年間で18台のクルマを乗り継ぐ。クレイジーなほど深くて混沌としたクルマ知識を持つ元自動車系デザイナー。自身のクルマ体験をもと、独創的な視点で切り込むイラストやインプレッション記事は、他にないユニークなテイストとして定評がある。2015年7月現在の愛車はプジョー309SI。