ホンダ ステップワゴン

アクティブセーフティとパッシブセーフティ
両方の機能を理解することが重要

 

子供が生まれ、家族が増えれば、自分だけの好みでクルマ選びができなくなるのが当然。乗員数や使い勝手、燃費性能など、色々な部分に優先順位を付けクルマ選ぶことになる。ついつい、子供が喜ぶからと言って、高価な後席モニターなどを選びがちだが、が、やはり優先してほしいのが子供など乗員を守る装備。もちろん、他人に被害を与えることも避けたい。クルマの安全装備には、衝突時に被害を軽減するパッシブセーフティと、自己を未然に防ぐアクティブセーフティという2つの機能に分けられる。このあたりの装備が、充実していればより安全性の高いクルマということになる。そこで、ファミリーに優しい安全なクルマ選びのポイントをレポートする。

アクティブセーフティ機能でチェックしたい装備のポイント

 

自動ブレーキ
まず、歩行者との衝突は死亡事故につながり、加害者家族も路頭に迷うことになる。そのため、チェックしたいポイント1つ目は「歩行者検知式の自動ブレーキ」であるかとうかといこと。歩行者検知式の自動ブレーキは、まだまだ装着車が少ないので、まずはここをチェックしたい。そして、対応速度。対車両の場合、少なくても100㎞/h以上からでも自動ブレーキが作動することが重要。衝突回避できない速度であっても、いかに速度を落とせるかで被害軽減に貢献する。また、衝突回避できる相対速度が高いことも重要だ。30㎞/h以下という簡易式の自動ブレーキでは、それほど大きな効果は期待できない。対歩行者の場合もより高い速度からの減速が重要で、60㎞/h以上から減速できるような機能が欲しい。
 
後側方の車両検知機能
後側方の車線を走るクルマを確認し、接近しているのに気付かないまま車線変更をするなどしようとした場合、警報を発して接触事故を防ぐ。夜やトンネル内など環境が悪い場合、ミニバンなど死角の多いクルマ、運転が苦手な女性や、高齢者、初心者などにはとくに頼りになる機能。日常的に使える安全機能だ。
 
横滑り防止装置
2012年10月以降に出た新型車、既存の車種でも2014年10月以降の生産車種で普通車なら、すでに標準装備化が義務付けられている。横滑り防止装置は、クルマが横滑りやスピンすることを抑制する機能。この機能で、クルマの単独事故は40%以上も減るとも言われている。横滑り機能だけでなく、背の高いミニバンなどでの場合は、横転する危険性も抑制してくれる。新車では問題ないが、中古車に関しては装備していないクルマもあるので、しっかり横滑り防止装置が装着されているかどうかチェックして選びたい。軽自動車も新型車が2014年10月以降、既存車種は2018年2月以降に義務化される。この機能は、自動ブレーキを支える基盤技術といえるものなので、自動ブレーキ装着車には装備されている。

パッシブセーフティ機能でチェックしたい装備のポイント


後方中央席のヘッドレスト
ヘッドレストは、衝突後前方に大きく振られた人間の重い頭が後方に振り戻されたとき支える役割をもつ。この機能が無いと、首に大きなダメージを受ける。そのため、最近のクルマはほぼ装着されているが、今でも一部のミニバンなどで2列目や3列目シートの中央席に装備されていないモデルもある。とくに、中古車となりやや年式の古いモデルには多く見受けられるので注意が必要。
 
3点式シートベルト
2012年7月から製造されるクルマには、全席に3点式シートベルトが義務付けられている。つまり、それ以前のクルマにはすべての席に3点式シートベルトが装備されていないというクルマがたくさんある。2点式のシートベルトでは、車外放出はなんとか防げるものの、上半身を固定できないため大きな怪我や、左右に座る乗員との衝突などで怪我を負う可能性が非常高い。とくに、2012年7月以前に生産された中古車を買う場合、全席に3点式シートベルトが装備されているか確認してから選びたい。とくに、ミニバン系の後方中央席はほとんど2点式だ。また、3点式シートベルトには、衝突時にシートベルトを巻き上げる乗員をより強く拘束するプリテンショナーと、一定以上の力が加わると拘束力を弱め乗員の胸にかかる力を軽減するフォースリミッターと呼ばれる機能がある。この機能が無いシートもあるので、こうした機能がすべての席に付いているかどうかも重要。
 
サイド&カーテンエアバッグなど
多くの輸入車は、サイド&カーテンエアバッグの装着率が非常に高いが国産車は非常に低い。ほとんどがオプション設定。とくに、後席のサイド&カーテンエアバッグは、側突時に乗員を守ってくれるもの。とくに、後席に子供乗せる機会が多いのなら、装備して損の無い機能だ。中古車の場合、新車での装着率が非常に低いため、後席のサイド&カーテンエアバッグ装着車を探すのは困難だ。

ファミリーに優しい安全なクルマ、お勧めは?


ミニバン:ホンダ ステップワゴン
ホンダステップワゴンオプション設定となる自動ブレーキ関連の安全装備「ホンダ センシング」装着が前提。ミリ波と単眼カメラを組み合わせた安全装備で、歩行者の検知も可能。上級グレードのスパーダには、サイドエアバッグに3列目まで対応するサイドカーテンエアバッグが標準装備されている。2列目をベンチシートを選択すると中央席は3点式シートベルトではないのが物足りない。ヘッドレストは全席標準装備されているので安心だ。
 
ワゴン:スバル レヴォーグ
スバルレヴォーグステレオカメラを使った自動ブレーキ関連の安全装備、最新のアイサイトver.3が全車に標準装備されている。歩行者検知式の自動ブレーキであり、オプションでアドバンスドセイフティパッケージを選択すれば、後側方の車両検知機能、サイドビューモニターなどの装備がプラスされ、前方だけでなくクルマの周囲の安全確保もできる。また、レヴォーグはAWDなので、路面状況が悪い場所での安定感も優れているのも、安全面ではひとつのメリットといえる。
 
コンパクト:日産ノート
日産ノート2015年7月に行われたマイナーチェンジで、ほぼ全グレードに自動ブレーキ関連の安全装備エマージェンシーブレーキが標準装備された。このクラスの自動ブレーキで、歩行者検知式であるのは国産車ではノートのみ。また、標準装備化されているという点でも評価できる。ただし、サイドエアバッグは無くカーテンエアバッグが一部グレードにオプションと少々物足りな状況。便利な機能がアラウンドビューモニター(MOD〔移動物 検知〕機能付)。カメラ画像を合成しクルマの周囲を空から見たように表示し、死角を補う機能がある。移動物も検知できるので、運転が苦手な人にはお勧め。

*自動ブレーキ関連の安全装備は、まだ過渡期にあるため、千差万別といったところ。まずは、歩行者検知式であることを基本に選ぶといい。また、こうしたアクティブセーフティ機能ばかりでなく、ファミリーになら、よりパッシブセーフティ機能も重視したい。予算にもよるだろうが、豪華機能のオプションを選択するより、サイド&カーテンエアバッグ類のオプションを選択したほうがよい。自車側はアクディブセーフティ機能で衝突を回避していても、他車から衝突される場合に回避する機能は未だ無い。とくに、大切な乗員を守る必要があるファミリーカーであるならば、迷わずサイド&カーテンエアバッグは選択したい。また、中古車の場合、こうした装備が装着されていることも重要だが、年式にもよるが横滑り防止装置有無、全席に3点式シートベルトがあるのか、全席ヘッドレストがあるのか、などもシッカリとチェックして購入したい。
 

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