BMWX5

< 2.0Lターボ+モーターで313ps&450Nm! 約2.4トンのボディながら0-100㎞/h加速は6.8秒!>

BMW X5 xDrive40eBMWは、大型SUVのX5に、PHVモデルのX5 xDrive40eを設定し発売を開始した。

今回登場したBMW X5 xDrive40eは、持続可能な次世代モビリティを提供するBMWのサブ・ブランド「BMW i」のプレミアム・スポーツ・カー「BMW i8(アイ・エイト)」に初搭載された先進のプラグイン・ハイブリッド・テクノロジーを組み合わせた。

BMW X5 xDrive40eに搭載されるエンジンは、直6 3.0Lターボではなく、ダウンサイジングされた2.0L直列4気筒BMWツインパワー・ターボ・エンジン。これに、8速ATと一体化された高出力の電気モーターを組み合わせ、システムトータルの最高出力は230kW(313ps)、最大トルクは450Nm(45.9kgm)を発揮する。エンジン単体の最高出力は、180kW(245ps)/5,000~6,500rpm、最大トルク350Nm(35.7kgm)/1,250~4,800rpm。電気モーターは、最高出力83kW(113ps)/3,170rpmを発揮。モーターの特徴で、停止状態から、すぐに最大トルク250Nmを発生する。

BMW X5 xDrive40eX5 xDrive40eのような1モーター式ハイブリッドの特徴は、、アクセルを踏んだ瞬間、エンジンのエンジンの回転が上がる前にモーターのトルクに瞬時にクルマを押し出す。僅かに遅れて、エンジンの最大トルクが加わり、さらに力強さをを増すのが特徴。そのため、発進加速や中間加速が良い傾向になる。こうしたモーターの特性と、エンジンの最大トルクが350Nmもあることも加わり、0-100㎞/h加速は6.8秒となかなか俊足。3.0Lターボを搭載するxDrive35iの0-100㎞/h加速が6.5秒なので、ほぼ同等の加速力をもつ。同時期に発売されたおなじPHVゴルフGTEが7.6秒なので、約2.4トンという重量級ボディのクルマとは思えないほと速い。PHVは低燃費化の技術であるとするならば、ここまで速くする必要があるのか? と、疑問に思うのだが、それがBMWのこだわりのひとつのなのだろう。

X5 xDrive40eに搭載されるリチウムイオン電池のバッテリー容量は9.0kWh。これだけのリチウムイオン電池を積み、120㎞/hまでEV走行が可能でEV航続距離は約31㎞となっている。ボディサイズが少々違うが、三菱アウトランダーPHEVは、12kWhのリチウムイオン電池を搭載し、EV走行可能距離は60.8㎞。容易に普通充電ができる環境にない現在、もう少しEV走行可能距離があってもいいと感じる。31㎞というのは、カタログ値なので、実際に走れる距離はもっと少ないと考えると、まさにチョイ乗り程度でしかEV走行できないということになる。それでいて、X5 xDrive40eの充電時間は、3.5~4時間程度と意外と長く急速充電器も使えないというのであれば、使い勝手は今ひとつといったところだ。

X5 xDrive40eには、3つのドライブモードが用意されている。3つのモードをeDriveボタンを使って切り替える。ひとつ目のAUTO eDriveは、電気モーターとガソリン・エンジンが最適なバランスで高効率に連動するデフォルトの走行モード。時速約70kmまではゼロ・エミッション走行が可能となり、時速70km以上の速度、または250Nm以上のトルクが必要になると、自動的にガソリン・エンジンが始動する。2つ目のMAX eDriveは、時速120kmまでの速度域で、電気モーターの駆動力のみでゼロ・エミッション走行が可能。ドライバーによるキック・ダウン操作、またはスポーツ・モードに選択した場合には、エンジンが始動する。3つ目のSAVE Batteryは、バッテリーの電力を使わずにガソリン・エンジンの駆動力で走行する。現状のバッテリー残量の低減を抑えるとともに、エンジン・ブレーキ回生システムが運動エネルギーを電力に変換し、バッテリーの充電量を最大50%まで増やすことが可能だ。遠方から走ってきて、深夜・早朝の住宅街などではEV走行し、近隣に迷惑をかけないように走るようなときに使う。

BMW X5 xDrive40eX5 xDrive40eの使い勝手面は、PHV化されたことでやや制約を受けている。ラゲッジスペースは、500~1,720L。リチウムイオン電池をラゲッジ床下に配置していることもあり、X5 35dの650~1,870Lと比べると若干ラゲッジスペースは、ガソリン車やクリーンディーゼル車より小さくなっている。ひとクラス下のX3が550~1600Lなので、通常使用時だと、X3よりやや小さいラゲッジスペースになっている。たくさん荷物を積むという使い方をする人は、シッカリとチェックしたいポイントだ。

BMW X5 xDrive40eの装備関連では、他のグレードでオプションのアダプティブLEDヘッドライトが標準装備。安全装備面では、歩行者検知機能付きの自動ブレーキ関連の安全装備ドライビング・アシスト・プラスが標準装備されている。安全装備面は高いレベルにあり安心だ。

BMW X5 xDrive40eの選び方。エントリグレードの価格は、9,270,000円から。3グレードあるが、お勧めはMスポーツで価格は9,930,000円。Mスポーツは、リセールバリューが高く装備なども充実しているので多少高価でもMスポーツを選択したほうが満足度も高い。PHVなので、エコカー減税は免税。さらに、クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金が最大34万円でる。悩ましいのがPHVにするのか、クリーンディーゼルを選ぶのかという選択。クリーンディーゼルの35d Mスポーツが9,430,000円。価格差は50万円。チョイ乗りが多く、比較的近隣に普通充電が豊富、そして何よりもPHVに乗りたいという人でないとPHVはあまりお勧めできない。EV航続距離が短いので、PHVであることのメリットがあまり活かせないからだ。長距離や、走行距離が多い人にお勧めなのは、やはりクリーンディーゼル車だ。560Nmという大トルクがあり、長距離走行も楽で低燃費。また、燃料がハイオクから軽油になるので30円/L以上違い、燃料経済性は高い。満タンからの航続距離も長くなるので、ガソリンスタンドに行く回数も減るので時間の節約にもなる。

■BMW X5 xDrive40e価格

・X5 xDrive40e 9,270,000円
・X5 xDrive40e xLine 9,930,000円
・X5 xDrive40e M Sport 9,930,000円