トヨタ プリウス

<噂では燃費40.0㎞/L超? 価格アップは確実? 新型プリウスの実力を予想!>

トヨタプリウス何かと話題のハイブリッドカー プリウスがフルモデルチェンジするという噂があったが、ついにトヨタは、アメリカ ラスベガスで4代目となる新型プリウスを世界初公開した。

世界初公開が、東京モーターショーでなくラスベガスであったのは少々違和感があるものの、その完成度からは市販が目の前であることを十分に感じさせた。今回の3代目プリウスは、先駆けという意味をもつ車名通り、より先進感ある仕上がりとなっている。先進性と言う意味では、「Toyota New Global Architecture(トヨタ グローバル アーキテクチャー)」(以下、TNGA)を初めて取り入れモデルとなる。TNGAとは、パワートレーンユニットとプラットフォームを刷新し、一体的に新開発することにより、クルマの基本性能や商品力を飛躍的に向上させることを目指すという。こう説明されると聞こえが良いのだが、基本的にはプラットフォームなど目に見えないクルマの骨格部分などを共通化。共通化し、色々な車種に使うことで大幅なコストダウンを狙っている。日産やメルセデス・ベンツなどでは、スカイラインにメルセデス・ベンツのエンジンを搭載するなど、メーカー間を超えた取り組みも行われている。

トヨタプリ数この初のTNGAを採用した4代目新型プリウスは、ボディ剛性強化、パワートレーンユニットの低重心・低配置化などにより、操縦安定性・乗り心地が向上したという。3代目プリウスは、当時、既存車種のプラットフォームを使っていたた。そのため、プリウスは、やや車重が重くなったという反省点もある。今回のTNGAでは、プリウスをメインにした開発が行われていると予想できることから、かなり多くの部分がハイブリッド車として最適化されていることになるだろう。かなり期待される部分でもある。

また、TNGAでは、低重心パッケージというのも、ひとつのテーマだ。低重心化は、車両の運動性能を決める上でとても重要。さらに、4代目プリウスはTNGAによる低重心パッケージを融合させることで、先進的でエモーショナルなデザインを実現した。賛否両論あるものの、かなりユニークなスタイルとなっている。イメージ的には、FCVのミライと共通したテイストをもつ。この低重心化により、ルーフの頂点を20mm低くすることができ、エンジンフードも低く抑えることができた。よりスタイリッシュなシルエットを実現したのと同時に、全高やエンジンフードの高さを抑えることで、空気抵抗を低減している。空気抵抗は、高速走行での燃費に大きく影響する要素なので、4代目プリウスの空力性能にも注目したい。

今回発表された北米仕様4代目新型プリウスのボディサイズは全長4,540×全幅1,760×全高1,470㎜。先代プリウスと比べると、全長で+60㎜、全幅+15㎜、全高-20mmという数値になる。全高を除いて少し大きくなった。一般的に全長が60㎜も長くなると、ホイールベースも長くなっていて室内が広くするパターンが多い。しかし、今回はホイールベース2,700㎜と先代プリウスと同じ。伸びた60mmのスペースはどの部分に使われたのか注目したところだ。

トヨタプリウス今回の発表では、一番重要なハイブリッドシステムについては非公表。ただし、エンジンの熱効率を40%以上に高めたとされている。ガソリン車で世界トップレベルと言われているヴィッツの熱効率が38%、3代目プリウスで38.5%となっている。この熱効率のアップで、どれくらい燃費がアップするのかは不明。4代目新型プリウスの燃費は40.0㎞/Lになると噂されている。この微妙な熱効率だけで、現行の32.6㎞/Lから40.0㎞/Lになるのは考えにくい。

さらに、興味深いことに北米での発表時に、EPAの燃費値で10%アップとされている。3代目プリウスが複合で50MPG(約21.3㎞/L)。燃費が10%アップすると55MPGになり、23.4㎞/Lとなる。3代目プリウスのJC08燃費値は32.6㎞/Lなので、EPA値の約153%。4代目新型プリウスの燃費値が単純にEPA値55MPGということになると、JC08値で35.8㎞/Lという計算になる。4代目新型プリウスのJC08燃費値は35.8㎞/Lでは、噂の40.0㎞/Lには全く届いていない。軽量化や空力性能の見直しで、燃費は向上するが、それでもまだ40.0㎞/Lには届かない印象。公表されていないハイブリッドシステムに新たなテクノロジーが投入されているのだろうか?

そして、安全装備面ではようやくトヨタの自動ブレーキであるトヨタ セーフティセンスPが装備できるようになる。ランクが下のトヨタ セーフティセンスCは、歩行者を検知できないがセーフティセンスPは対歩行者検知機能付きなので、より高いレベルの安全装備と言える。

4代目新型プリウスの価格も公表されていない。ボディサイズがやや大きくなったことや、トヨタ セーフティセンスPの装着などを考えると価格は上昇すると思われる。3代目プリウスは、デビュー直後、インサイトとの価格競争で随分安めの価格設定をしてしまった。これが後々、トヨタ車のラインアップ上、他のモデルとの価格バランスを崩してしまった。それを是正するため、マイナーチェンジでは、実質値上げしている。また、最近のトヨタはハイブリッド車は黙っていても売れることを知っている。こうしたことから、強気の価格を提示してくるとみられる。

3代目プリウスのエントリグレードLの価格は2,232,000円から。ここから、10~20万円はアップし、4代目新型トヨタ プリウスの価格は233~243万円前後からと予想。上級グレードは、300万円を超えてくるだろう。

新型トヨタ プリウスの国内発売日だが、今のところ未定。すでに北米で発表していることや、10月末からの1東京モーターショーに出展されることを考えると、11月月頃に発表される可能性が高い。

もし、プリウスからプリウスに乗り換えるのであれば、新型が出る前に旧型になるプリウスは早めに売却してしまいたい。新型が出るとリセールバリューは大きく下がるからだ。