スズキソリオ

<なんと100㎏の軽量化に成功! 燃費だけでなく、走行性能にも期待大!>

スズキソリオスズキは、全長4m未満のコンパクトハイト系ワゴンであるソリオ とソリオバンディットをフルモデルチェンジし発売を開始した。

新型ソリオ/ソリオバンディットのボディサイズは、全長3,710×全幅1,625×全高1,745mm。日産マーチの全長が3,825mm、トヨタ アクアが3,995㎜なので、こうしたコンパクトカーよりも、ソリオはさらに小さいことが分かる。多くのコンパクトカーが全高1500mm前後なのに対して、ソリオは1,745㎜。全長は短く背が高いという、コンパクトカーの中でかなりユニークなボディサイズが特徴だ。これだけ、全高が高いので立体駐車場に多い全高制限1,550を超えているので、小さいクルマだが立体駐車場の制限を受ける。ただ、その分、上部のスペースは圧倒的だ。

今回のソリオのフルモデルチェンジで注目したいのは、マイルドハイブリッド機能が装備されたことだ。ワゴンRに使われたマイルドハイブリッド機能と、ほぼ同等の仕組みをもつ。このマイルドハイブリッド機能は、ISG(モーター機能付発電機)が装備され、エンジンの始動や走行中にエンジンをアシスト。減速時には、発電する。モーターそのものの出力は小さい。そのため、モーターのみでの走行はできない。あくまでアシストに徹している。こうしたシステムは、日産セレナ が採用し低燃費化している。

スズキソリオこうしたマイルドハイブリッド機能にだけ頼るのではなく、パワーユニットも変更されている。新開発K12C型デュアルジェット エンジンが搭載された。1気筒当たり2本のインジェクターをもつこのエンジンは、高圧縮比化で熱効率をさらに向上。その他、色々な改善により低燃費化。前モデルのK12Bエンジンと同じ91ps&118Nmというスペックを誇る。

また、驚きなのは軽量化だ。新プラットフォームが採用され、なんと約100㎏もの軽量化が施された。新型ソリオハイブリッドの車重は950㎏となっていて、軽自動車のダイハツ タント並みの車重となている。スズキの軽量化技術は、かなり高いレベルにある。

こうした多くの低燃費技術を積み重ねた結果、新型ソリオの燃費はクラストップ27.8km/Lを実現した。エンジンそのものの出力は同じで、モーターアシストがあり、さらに100㎏軽いのだから、加速性能など走りの質も上がっているはずだ。

スズキソリオ新開発のプラットフォームが採用されたことにより、ホイールベースが先代より30㎜長くなり2,480㎜となった。ロングホイールベース化により、クラストップの室内長2,515mmと、ゆとりある前後乗員間距離1,080mmを実現。室内高も1,360mmとし、さらに広大な室内スペースとなった。ロングホイールベース化しながらも、最小回転半径を4.8mとし、コンパクトカーに求められる小回り性能に磨きをかけている。

使い勝手面も、さらに改善されている。後席ドア開口幅を60mm広げ、さらにステップ高を低くすることで乗り降りをさらにスムーズにした。こうした乗り降りのしやすさは、高齢者などにも優しい仕様となっている。

荷室関連は、バックドア開口地上高を下げ、荷物の積み下ろしを容易にし、荷室高と荷室幅を広げ荷室スペースを拡大。2WD車は容量100L、4WD車は容量26Lの大容量のサブトランクを設置した。

マイルドハイブリッドと並んで注目したいのは、安全装備。ソリオには、ステレオカメラ方式の衝突被害軽減システムであるデュアルカメラブレーキサポートがオプション設定されている。このシステムは、歩行者や車両に対して衝突の危険性がある場合に自動車ブレーキを作動させるもの。対車両に関しては50㎞/h未満、歩行者に対しては30㎞/h未満の速度で自動ブレーキが作動する。軽自動車やコンパクトカーの自動ブレーキは、車両に対してのものが多く、歩行者を感知できないものが多い。その点では、クラストップレベルにある自動ブレーキといえる。ただし、対歩行者事故の場合、30㎞/h以上になると致死率が急上昇するので、もう少し高い速度域からの自動ブレーキが望まれる。

スズキソリオデザイン面では、従来モデルと同じく標準車のソリオの他に、より強面系のソリオバンディットが用意されている。標準車のソリオは、グリルをより強調し押し出し感や力強さをアップ。ソリオバンディットは、トヨタのミニバン、ヴェルファイアのように上下に2分割したLEDヘッドライトを装着。ワイド感をアピールしている。同時に、フレア形状のエアロパーツで、視覚的重心を下げ全高が高いクルマでも安定感あるフォルムに見せている。

新型ソリオの選び方。ソリオのガソリン車は、エントリーグレードのGのみ。その他のグレードは、マイルドハイブリッド機能を搭載したモデルになっている。さらに、ソリオバンディットを選択すると、ハイブリッドMVと呼ばれるグレードのみという随分割り切った設定となている。このグレードは約183万円と高価な価格設定がされていることもあり、充実した装備内容になっている。ただし、デュアルカメラブレーキサポートはオプション設定なので、これを装備すると約188万円となる。

新型ソリオの標準モデルは、ガソリン車のGとハイブリッドMX、ハイブリッドMZの3タイプから選べる。ガソリン車は、ビジネス用的なグレードなので選びにくい。中間グレードのハイブリッドMXでデュアルカメラブレーキサポートを装備すると価格は約176万円。ハイブリッドMZは約190万円。価格差は14万円だ。装備差で大きなところでは、ディスチャージヘッドライト、LEDポジションランプ、後席右側パワースライドドア、本革巻きステアリング、LEDサイドターンランプ付ドアミラーなどが上げられる。こうした装備差を考えると、やや価格アップ分以上のお買い得感が出ているのでハイブリッドMZを選択したいところだ。

なかなか魅力的な新型ソリオなのだが、価格はやや高め。ハイブリッドMZの価格は約190万円と高価で、この価格だと本格的なハイブリッドスステムを備え、33.6㎞/Lとより低燃費なフィットハイブリッドの上級グレードLパッケージ(約196万円)とさほど変わらなくなる。燃費を重視するのなら、フィットハイブリッドなどの本格的ハイブリッド車が良いだろう。ただし、スライドドアをもち、上方のスペースに余裕があることが燃費より重要視されるのであれば新型ソリオという選択肢になる。

■スズキ ソリオ/ソリオバンディット価格

●ソリオ
・G 2WD 1,454,760円/4WD 1,581,120円
・HYBRID MX 2WD 1,695,600円/4WD 1,821,960円
・HYBRID MZ 2WD 1,841,400円/4WD 1,967,760円

●ソリオバンディット
・HYBRID MV 2WD 1,825,200円/4WD 1,951,560円