国産セダンの中では最高級クラスの「クラウンマジェスタ」。日本を代表する高級セダンといっても過言ではないが、外車と比べるとどうなのか。価格差に見合うだけの違いはあるのだろうか。そこで、サイズが近いメルセデス・ベンツEクラスと、クラウンマジェスタを比較してみたい。

比較するモデル

今回比較するにあたって、以下をピックアップした。サイズ感が近く、それだけに乗り心地や燃費性能などが比べやすく選びやすい。

●トヨタ「クラウンマジェスタ”Fバージョン”」
●メルセデス・ベンツ「E250 AVANTGARDE(以下E250)」「E400 Hybrid AVANTGARDE(以下E400 Hybrid)」

Eクラスから2モデルピックアップしたのは、6代目クラウンマジェスタはハイブリッドのみの展開であるためだ。ハイブリッドにこだわる場合と、ガソリン車も視野に入れる場合の両方の観点から比較したい。

 

クラウンマジェスタ ~短中距離のドライブにぴったり

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●サイズ:全長4970(mm)×全幅1800(mm)×全高1475(mm)
●価格:689万1428円(※クラウンロイヤルやアスリートならハイブリッドも400万円台から)
●エンジン:ハイブリッドのみ

クラウンマジェスタの強みは、静粛性と燃費性能の高さだといえよう。

フロントシートもリアシートも非常に柔らかく、ソファーのように体が沈みこむ。そのためリラックスして座るにはちょうど良いが、長時間運転すると却って疲れが溜まりやすい姿勢になってしまう。クラウンはリアシートに座るものだと言われる所以が、こんなところにも残っている。

マジェスタFバージョンのエンジンはV型6気筒(Fourは直列4気筒)。ボディサイズの割には適度に俊敏に動けるため、街中でも操作しやすい。また燃費も、ハイブリッドとしても優れている部類であり、こちらも高く評価できる。

 

メルセデス・ベンツEクラスE400 ~長距離を走るなら

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●サイズ:全長4880~4890(mm)×全幅1855(mm)×全高1455(mm)
●価格: E250は687万0000円、E400 Hybridは934万0000円
●エンジン:E250はガソリン、E400 Hybridはハイブリッド

Eクラスの強みは、優れた動力性能と走行の安定性だろう。

シートに関しては、好みが分かれる。Eクラスのフロントシートはやや硬いため、リラックスはしにくいが、姿勢は安定する。そのため、長時間運転しても疲れにくいというメリットもある。後部座席に関しては、背が高い人を想定しているのか、頭上スペースを広く確保している。代わりに座面は低く、膝が持ち上がるつくりになっている。

エンジンはE250が直列4気筒、E400 HybridがV型6気筒。言うまでもなくE400の方が動力性能が優れているが、E250でも充分なパワーを備えている。スピードを上げたときの運転の安定感、そして高級車らしい重量感という点でもEクラスに分配が上がる。

しかし燃費性能という点では、ハイブリッドであるE400 Hybridでもマジェスタには適わない。

 

寸評

全幅はEクラスが、全長と全高はクラウンマジェスタの方がやや大きいものの、車内では大きさの差はほとんど感じないこの2台。選ぶポイントは、利用シチュエーションと価格・ブランドだろう。

短中距離、市街地での走行が中心の人、またリアシートの乗り心地を重視する人はクラウンマジェスタをお勧めしたい。それに対し、高速なども使い、長時間運転するときの疲労軽減という観点ではEクラスのが上だろう。

価格は、マジェスタとE250ならほぼ互角だ。クラウンとEクラスというブランドで選べば良いだろう。E400 Hybridとハイブリッド同士で比べると、燃費性能、そして250万円という価格差を考えると、クラウンマジェスタに分配があがるだろう。