
<軽自動車マーケットの不振&ホンダ国内販売低迷の中で2015年販売台数ナンバー1を狙うための特別使用車>

N-BOXは、ホンダの新軽自動車ブランドNシリーズの第1弾として2011年末にデビュー。Nシリーズのデビュー当時は、超円高で国内メーカーは、非常に厳しい経営状態となっていた。そこで、ホンダは国内の工場を維持するために、為替に影響されない軽自動車 マーケットに本格参入する。軽自動車は、為替の影響を受けないため、国内の工場を安定して稼働させるために必要だった。
すでに、軽自動車をラインアップしていたホンダだだったが、ホンダ初の軽自動車であるN360の原点に戻り渾身の1台を生み出した。それがN-BOXだ。全高は1,770mm、ホイールベース2,520㎜と、室内スペースなど圧倒的なクラストップのスペックを誇った。こうした設計ができたのは、ホンダのM・M(マン・マキシマム、マシン・ミニマム)思想によるもの。ホンダが得意とするセンタータンクレイアウトが採用され、クラストップの室内スペースで人気を得た。
また、背が高いと横転する危険性が高まる。そこで、ホンダは当時まだ義務化されていなかったVSA(横滑り防止装置)を標準装備。安全装備の充実度も魅力的だった。さらに、現在では低速域の自動ブレーキとサイドエアバッグなどをセットにしたあんしんパッケージをセットにしてオプション化している。 その後、N-BOX+、N-BOXスラッシュ と派生車を増やしていき、2012年、2013年には、軽自動車販売台数ナンバー1を獲得。2015年上半期も軽自動車販売台数ナンバー1となり、モデル末期に入ってきたモデルなのだが現在も高い人気を誇っている。

本来ならば、2015年上半期ナンバー1になるような人気車がお買い得な特別仕様車を設定する理由はない。しかし、ホンダがこうした車種を設定しなければならない理由が他にある。ひとつ目は、国内の軽自動車マーケットがかなり冷え込んでいるからだ。販売台数ナンバー1でも、販売台数そのものは昨年割れというのであれば工場の稼働率にも影響する。販売台数ナンバー1を維持したまま、販売台数を昨年並みに戻したいという狙いがある。また、ホンダの国内販売が低迷している。主力のフィットやヴェゼルなどが不調。こうした要因が重なり、売れそうなクルマでとにかく台数を積み上げなくてはならないからだ。ホンダはすでに多くの車種にこうしたお買い得な特別仕様車を投入しているが、今後も増える可能性が高い。

こういう時期はチャンスなので、必ずタント やスペーシア と競合させることが重要だ。基本的に予算重視という姿勢でのぞみたい。長期戦に持ち込めば、ジリジリと値引き金額は大きくなるだろう。
また、お勧めしたのは登録済み未使用車だ。販売会社が販売台数を少しでも上乗せしたいがために、自社で登録してしまったクルマだ。中古車に分類されるが、ほぼ新車と同等なコンディションなのでお買い得感は高い。今ではこうした登録済み未使用車専門店があるくらい。価格は新車より圧倒的に安いので、自分の好みの仕様が見つかればこちらもお買い得。こうした登録済み未使用車と新車を競合させてみるのもいいだろう。
■ホンダN-BOXシリーズ SSパッケージ価格
・ホンダN-BOX特別仕様車SSパッケージ FF 1,440,000円/4WD 1,570,000円
・ホンダN-BOXカスタム特別仕様車SSパッケージ FF 1,630,000円/4WD 1,760,000円
・ホンダN-BOX+特別仕様車SSパッケージ FF 1,560,000円/4WD 1,690,000円
・ホンダN-BOX+カスタム特別仕様車SSパッケージ FF 1,715,000円/4WD 1,845,000円