スズキスペーシア

<S-エネチャージ搭載で他の追随を許さないクラストップの燃費32.0㎞/L! さらに、歩行者を検知する自動ブレーキ、デュアルカメラブレーキサポートを装備>

スズキスペーシアスズキ スペーシアが大幅改良され発売が開始された。今回の大幅改良は、燃費と安全性能に係わる部分で、基本性能を大幅に引き上げている。

まずは、燃費性能。スペーシアには、スズキ最新の低燃費技術S-エネチャージが搭載された。この機能は、すでにワゴンRに搭載されているものだが、それをさらにバージョンアップしたものが採用されている。

S-エネチャージとは、ISG(インテグレーテッド スターター ジェネレーター)がエンジンをアシストすることにより、低燃費化させるという技術。マイルドハイブリッドとも呼ばれる。ただ、ISGのモーターは小さいため、モーターのみでの走行はできない。ワゴンRに搭載されていたS-エネチャージは、モーターのアシストがわずか6秒というものだった。当時、エンジニアの解説では、その短いアシスト時間に対して「今はシステムのリスクをできるだけ回避して、安全のマージンを多くとっている。伸びしろは、まだまだあると考えている」と語っていた。それから、1年も経たずにS-エネチャージは進化して登場した。スズキの技術開発のスピードは早い。

なんと、新Sエネチャージになり、ISGのモーターアシスト時間は、従来の最長6秒間から最長30秒間まで拡大。モーターアシストする速度域を、従来の「15km/h~85km/h」から「発進後~約85km/h」へと変更した。その他、R06A型のエンジンも進化。エキゾーストマニホールド一体型シリンダーヘッドの採用や触媒ケースを簡素化するなど、軽量化、コンパクト化を実現した。こうしたスズキの軽量・コンパクト化技術は、群を抜いており他メーカーの追随を許していない。その結果、スペーシアの燃費は32.0㎞/Lとなり、ブッチギリのクラストップ。当然、スペーシアは全車エコカー減税免税対応となっている。

スズキスペーシアさらに、スペーシアの進化は止まらない。自動ブレーキ関連の安全装備も進化させた。従来型の自動ブレーキは、赤外線を使ったもので30㎞/h以下の低速域に限定されたものだった。しかし、今回はステレオカメラが装備され、約5km/hから約100km/hの速度域で歩行者の認識し自動ブレーキを作動させることが可能となった。同時に、より高い速度域での自動ブレーキが可能となり安全性能は飛躍的に向上。この安全装備をスズキは「デュアルカメラブレーキサポート」と呼び、軽初の装備となる。ステレオカメラを使った自動ブレーキ関連の安全技術は、スバルのアイサイトなどが代表的な例。スペーシアには、こうした先進技術が惜しみなく投入されているのだ。

この「デュアルカメラブレーキサポート」には、自動ブレーキの他、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能がプラスされた。コンパクトカークラスでは、30㎞/hの低速域限定自動ブレーキが中心。スズキのデュアルカメラブレーキサポートこは、軽自動車初というだけでなく、普通乗用車を含めた中でも高いレベルにあり、高く評価すべきポイントでもある。さらに、コストダウンを得意とするスズキらしくデュアルカメラブレーキサポートは、オプションながら75,600円高と安価な価格で装備できるというのも素晴らしい。

スズキスペーシアスズキがここまでやるには訳がある。つまり、スペーシアは売れていない。デビュー当時から、燃費ナンバー1だったのだが、直近の販売台数では、ダイハツ タントが圧倒的な販売台数で1位。やや離され気味でホンダN-BOXが2位に続いている。しかし、スペーシアは、タントの約半分の台数しか売れていない状況となった。スズキにとっては、想定外の敗北と言える。軽自動車は、安全装備などでなく、車両価格と燃費さえ良ければ売れると言い続けてきたスズキだが、自ら選択した方向性が間違っていたことにも気付いた。

今回のスペーシアの魅力は、32.0㎞/Lという低燃費はもちろんだが、S-エネチャージのISGはアイドリングストップからのエンジン再始動が非常に静かなのだ。この静かさとスムースさを格別。信号て停止するたびに、ライバルを圧倒する静粛性とスムースさを感じれるのだから、これだけでもスペーシアが欲しくなるほどだ。さらに、デュアルカメラブレーキサポートが装備され、30㎞/h以上の速度でも自動ブレーキが作動する。歩行者との衝突は、30㎞/h以上になると致死率がイッキに上昇するという。もしものためのリスク軽減に、大きな価値のあるものとなっている。顧客は、こうした基本性能の高さを理解する必要がある。タントのピラーレスのミラクルオープンドアという分かりやすい装備も魅力的だが、スペーシアのようなクルマとしての本質も重要。このあたりは、ジックリと試乗するなどし比べてみるといい。また、ホンダN-BOX、燃費性能や安全装備などでは、完全にスペーシアの後塵を拝する結果となった。ホンダにも同様な安全装備ホンダセンシングがあるだけに、ホンダの動向にも注目したい。

スズキ スペーシア/スペーシアカスタム価格

■スペーシア価格
・G 2WD 1,274,400円/4WD 1,395,360円
・X 2WD 1,382,400円/4WD 1,503,360円
■スペーシア カスタム価格
・GS 2WD 1,528,200円/4WD 1,649,160円
・XS 2WD 1,641,600円/4WD 1,762,560円

*「デュアルカメラブレーキサポート」は、オプションで75,600円高