クラストップレベルの広大な室内に、
ド迫力デザインでナンバー1ミニバンの座を完全キープした実力を試乗評価する
- とにかく、迫力重視のデザインに
- トヨタブランド最上級車種ともいえる超ラグジュアリー仕様へ
- 新開発のリヤサスペンションで、上質な乗り心地と高い操縦安定性を両立
とにかく大きく見えるデザイン&パッケージングを採用
- 上級ミニバンのユーザーは背の高いパッケージングを好む傾向が強い。高い位置に座ることで優越感を感じるのか、全高を抑えたモデルは、エスティマ、エリシオン、エルグランドなど、いずれも売れ行きが鈍かった。
それを見たトヨタは、ほとんど確信犯のようにアルファード/ヴェルファイアで背の高いパッケージングを継承してきた。わずかに全高を抑える方向に進んだものの、基本超ハイト系としての上級ミニバンである。
これに加えて新型アルファード/ヴェルファイアでは超威圧的なフロントデザインを採用した。これでは気恥ずかしくて乗れない、と逃げていくユーザーもいたのではないかと思われるが、こうした迫力モノのデザインを好むユーザーもいる。この点でも完全に確信犯といえるクルマ作りである。
パッケージングの面では十分な広さの室内空間を備えたほか、
エルグランドに負けていたラゲッジスペースについても大きなアンダーボックスを設けるなどして対応している。
贅を尽くした最上級グレード、エグゼクティブラウンジは約700万円
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インテリアは素材よりも色使いなどによって高品質感というか高そう感が表現されている。茶色や黒の木目調パネルが採用されるほか、ブラックを基調にメタル調のパネルを配置するなど、高級感の演出がなされている。
シートは超豪華なセミアニリン本革シートを始め、普通の本革シートも黒とベージュの2色が用意されている。
シート機構は、ロングスライドとパワーリクライニングが可能なエグゼクティブラウンジシートが最上級グレードのエグゼクティブラウンジに設定されるのを始め、エグゼクティブパワーシート、リラックスキャプテンシートなどが設定されている。現行モデルでは7人乗りが中心で、8人は廉価グレードだけの設定になっている。
現行モデルでけっこうお金がかけられたのがシートで、同時にシートを支えるフロアパネルも強化されたことで、
乗り心地に優れた快適なセカンドシートが実現している。
2.4Lから2.5Lに変更されたガソリン車とハイブリッド車
- 新型アルファード/ヴェルファイアでは、走りの性能も大きく向上している。V型6気筒の3.5Lエンジンを搭載した仕様は動力性能こそ従来のモデルと変わらないが、標準モデルに搭載されるエンジンが2.4Lから2.5Lに排気量アップされ、走りの性能が向上している。大型ミニバンで車両重量が重いだけに、パワー&トルクの数字が向上したのは良いことだ。
ハイブリッド車も、カムリなどと同じ2.5Lエンジンと電気モーターの組み合わせが搭載されている。こちらも従来のモデルの終盤になって追加されたハイブリッド車が2.4Lエンジンとモーターの組み合わせだったのに対し、小幅ながら性能の向上が図られている。
良くなったのは動力性能よりも操縦安定性などの面だ。今回のモデルでは後輪にダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用したことで、乗り心地と操縦安定性のレベルが向上した。
同時に、重心高をやや下げてロールセンターを改善するなど、操縦安定性のレベルは大きく高まっている。さらに振動や騒音が抑えられて静粛性が向上したのも見逃せない点だ。フルモデルチェンジによる進化の幅はけっこう大きい。
新型アルファード/ヴェルファイア ギャラリー
トヨタ ヴェルファイアハイブリッドZR
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自動車評論家
松下 宏(まつした ひろし)中古車の業界誌から自動車誌の編集者を経て、自動車評論家に。
誰でも買える価格帯であり、小さくて軽く、そして燃費がよいということを信念として評論。
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員としても、その信念は変わらない。
そのため、大本命といわれている車種さえ外してでも自らの信念を貫き通す熱いハートをもつ。
アルファードのカタログ情報
- 現行モデル
- 令和5年6月(2023年6月)〜現在
- 新車時価格
- 540.0万円〜559.8万円
アルファードの在庫が現在461件あります
以下車両の保証内容詳細は画像をクリックした遷移先をご確認ください。