日産エルグランド<ほぼ、20万円の価格引き下げ! ライバル、アルファード/ヴェルファイアに価格で勝負!>

日産は高級大型ミニバのエルグランドに、新グレード「250ハイウェイスター S」、「250ハイウェイスター S アーバンクロム 」を設定し発売を開始した。

日産エルグランドは、2010年8月にフルモデルチェンジし3代目となった。人気モデルだった2代目エルグランドのフルモデルチェンジということもあり、話題のミニバンとしてデビューした。

3代目エルグランドは、このモデルからFF乗用車ベースのプラットフォームが採用された。当時のミニバンは、商用車ベースのモノもあり、背が高く乗り降りがしにくいだけでなく、重心も高く横風に弱く走行安定性は今ひとつだった。日産はそうした要素を改善するために、室内スペースを維持しながら低床フロアを使い全高も下げた。その結果、クルマの操縦安定性は飛躍的に良くなった。快適な乗り心地とカーブでの安定性も高かった。クルマのあるべき姿を求めた結果だ。しかし、こうした手法はマーケットに受け入れられなかった。走行性能や乗り心地が多少悪くても、とにかく大きく見えて威圧感があるデザインが好まれたのだ。エルグランドは、デビュー直後こそ売れたものの、その後の販売台数は徐々に落ち込み、ライバルのトヨタ ヴェルファイア /アルファード の足元にも及ばない販売台数となった。

日産もこうした状況を少しでも打開すべく、エルグランドは仕様向上を加えながら、2014年1月にビッグマイナーチェンジを敢行。問題となった全高こそ変更することはできなかったが、室内スペースはルーフの内装材を変更するなどし室内高を拡大。さらに、使い勝手面では、3列目シートも前方向に240mmスライドできる機能をプラスして、ラゲッジスペースも拡大。下部を掘り込んだアンダーラゲッジスペースのメリットもあり、ゴルフバッグを縦積みで6本収納できるほど便利になった。

また、より威圧感のあるフェイスデザインを好む顧客向けに、ギラギラとした個性的なフェイスが特徴の特別仕様車「アーバンクロム」も投入している。そんな改良を繰り返しているうちに、ライバルのアルファード/ヴェルファイアがフルモデルチェンジした。アルファード/ヴェルファイアは、エルグランドの失敗を研究し、全高をほとんど下げないまま登場した。さらに、アルファードはより強面のフェイスとなった。

そこで、日産が次に考え出した対応策が、この新グレード「250ハイウェイスター S」、「250ハイウェイスター S アーバンクロム」だ。エルグランドの人気グレード「250ハイウェイスター」と、特別仕様車「250ハイウェイスター アーバンクロム」をベースに、お買い得感のある価格設定としているのが特徴だ。装備の変更点は、高性能フィルターをクリーンフィルターに変更。サードシートバックコンビニフックを廃止程度だ。これで、エルグランド250ハイウェイスター S 7人乗りFFが3,395,520円、250ハイウェイスター S アーバンクロム7人乗りFFが3,676,320円、ともにベース車から200,880円安い価格設定となった。つまり、日産は実質価格引き下げという大技を使って勝負に出たのだ。

単純比較だが、ライバル車に比べても随分割安感が出ている。さらに、モデル末期に突入していることや、実際の商談でアルファード/ヴェルファイアと競合すれば、大幅値引きとなる可能性が高い。そうなると、予算面ではグッと楽になるはずだ。

ヴェルファイア/アルファードは人気モデルということで、すでに納期が数か月待ちとも言われている。車検の問題や故障など、スグにでも乗り換えたいという顧客も一定数いるだろう。日産はこうした状況も踏まえ、価格勝負に出てきたのだろう。納期が長い上に、価格も高いとなれば、エルグランドに乗り換えるという選択をする顧客も少なくないと見込んでいるはずだ。こうした状況を踏まえ、エルグランドの購入時には、必ずヴェルファイア/アルファードと競合させたい。商談はジックリと進めれば、大幅値引きも十分期待できる。

日産エルグランド価格

●2WD
・250ハイウェイスター S アーバンクロム 7人乗り 3,676,320円 8人乗り 3,676,320円
・250ハイウェイスター S 7人乗り 3,395,520円 8人乗り 3,395,520円
●4WD
・250ハイウェイスター S アーバンクロム 7人乗り 3,967,920円 8人乗り 3,967,920円
・250ハイウェイスター S 7人乗り 3,687,120円 8人乗り 3,687,120円