トヨタ ハリアー

 

<ノーマルのハリアーとは明確に違う走行性能に注目! >

トヨタハリアートヨタは、人気高級SUV のハリアーに、スポーティなチューニングを施した“G SPORTS(G's)”を設定し発売を開始した。G'sは、トヨタのGAZOO Racingテストドライバーが「意のままに操れる」ハンドリング性能を目標としてチューニングを施したスポーツグレード。このG'sは、チューニングモデルと言っても通常のモデルと同様に生産される。そのため、アフターパーツで同様のパーツを購入し装着するよりもリーズナブルな価格設定がされているのも魅力のひとつ。さらに、メーカーがチューニングしているというのも安心できるポイントで、保証関連も他のモデルと同じだ。

さて、3代目ハリアーは、2013年12月に発売された。初代と2代目ハリアーは、北米の高級車ブランドであるレクサスRXと共通のモデルだった。そうした背景もあり、日本でも大ヒットモデルとなった。その後、レクサスRXはよりその価値を明確にするため、ハリアーと決別。3代目となったハリアーは、レクサスRXとの関係は無くなった。レクサスのイメージが消えたことで、販売面も懸念されたものの、高級感SUVという方向性はそのままに、スタイリッシュな内外装デザインはユニークで販売は好調だ。

ハリアーのパワーユニットは2つ。直4 2.5Lエンジンをベースとしたハイブリッドと2.0Lガソリンエンジンが用意されている。ハイブリッド車は、21.8㎞/Lという低燃費性能をもつが4WDのみの設定だ。ガソリン車には、安価なFF車の設定がある。

ハイブリッド車は人気があることや4WDのみの設定ということもあり、価格はやや高め。約371万円からとなっている。さすがに、この価格ではそう売れないと予想したのか、2.0Lガソリンエンジン車のFFは300万円を切る価格設定となっている。この2.0Lエンジンを搭載した3ZR-FAE型車は、アイドリングストップ機能も標準装備されており、燃費はFFで16.0㎞/Lとなかなか優れた低燃費性能を誇る。ハイブリッド車の価格が高価なので、ガソリン車の魅力が増しているのも事実だ。

ただ、デビュー直後ということもあり高価なハイブリッド車が中心で売れている。そこで、トヨタもガソリン車により目を向けてほしいということなのだろうか、今回デビューしたハリアーG'sは、ELEGANCEと呼ばれるガソリン車の中間グレードをベースとしている。そのため、残念ながらハイブリッド車は用意されていない。

ハリアーG'sでは、まず基本となるボディが強化されている。まず、ボディを強化するのはG’sのチューニングの基本ともいえるものだ。床下剛性アップパーツやスポット溶接打点の追加などにより、ボディ剛性を大幅に向上した。強固なボディがあってこそ、高性能なサスペンションを生かすことができるからだ。

トヨタハリアー専用のスポーツサスペンションは、全高を約35mmダウンした。低重心化に加え、ステアリング操作に対する正確なクルマの動きとしなやかな乗り心地を実現。ノーマルのハリアーは、乗り心地重視ということもあり、サスペンションはふわふわした印象。とても、スポーティとはいえるものではなかったので、BMWなどのSUVのようにスポーティなフィーリングを望む顧客には合わないフィーリングだ。この強化されたボディとスポーツサスの組み合わせで、ハリアーG'sは欧州SUVのように、スポーティな走行が可能となっている。同時に、重く大きいSUVなので、ブレーキには、G's専用キャリパー(フロント)や高μ(ミュー)パッドを採用し制動力を向上させた。

エクステリアは、G's専用のフロントバンパーやアッパーグリル、ラジエーターグリルなどを採用。品のあるスタイリッシュなデザインのハリアーが、まるで違うクルマのような威圧的で迫力あるフロントフェイスになった。高級車としてのハリアーが、少々、子供っぽくなった感もある。そのほか、インテリアもG's専用スポーティシートなどで、トータルコーディネートされている。

ハリアー ELEGANCE G'sの価格は3,291,055円。ベースのハリアー ELEGANCEに比べ約41万円高。この価格差で、装備やチューニング内容を考えれば、かなりお買い得感だ。カスタマイズ派も、G'sをベースにすればリーズナブルに楽しめそうだ。ハイブリッド車に設定が無いのが残念だ。

■トヨタ ハリアー ELEGANCE G's価格:2WD 3,291,055円 4WD 3,485,455円