日産ノートニスモ

 

<走り重視ならノートニスモS、スタイル優先ならノートニスモと、ニーズに合わせた2タイプを用意>

日産ノートニスモ日産は、コンパクトカーのノートをベースとしたカスタマイズカーである「日産ノート ニスモ」の発売を開始した。ニスモとは、日産のモータースポーツを担う関連会社。正式には、ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル。

ベースとなる日産ノートに搭載されるエンジンは、新開発HR12DDR型1.2L直噴ミラーサイクル+スーパーチャージャーを採用。エコスーパーチャージャーと呼ばれ、自然吸気1.5L車並みのトルクを誇り、2WD車はエコカー減税免税レベルの低燃費性能を持っているのが特徴。アクセルをグッと踏み込めば、なかなかパワフルなエンジンだ。

そんなエンジンを積む日産ノートだったが、デビュー当時から指摘していたが、グレード設定に大きな穴が存在した。それは、スポーツグレードが存在しないことだ。他社のコンパクトカーには、フィットRSやヴィッツRS、アクアG'sなどのスポーツグレードが存在し一定の人気を得ている。日産ノートには、そうしたグレードが無かったため、日産ファンからは、スポーツグレードの設定が望まれていた。

そうした声に応えて、マイナーチェンジのタイミングでスポーツグレードであるノート ニスモが投入された。ノートニスモは、ニスモシリーズ5番目のモデルとなる。先に発売されたマーチニスモと同様に、ノート ニスモとノート ニスモSの2グレードが用意されている。

この2つのグレードの違いは、簡単にまとめると、足回りとエアロチューンがノート ニスモ。そのノート ニスモをベースとしながら、エンジン&ミッションまで乗せ換えたのがノート ニスモSとなっている。

まず、ノート ニスモは、パワートレイン、車体、タイヤ、サスペンション、空力などをトータルで最適チューニングすることで、バランスの取れた優れた運動性能を実現しているのが特徴だ。専用エアロパーツは、フロントグリル、フロントパンパー、サイドシルプロテクター、リヤバンパー、ルーフスポイラー、ニスモ専用レッドの電動格納式リモコンカラードドアミラーを装備。

日産ノートニスモさらに、ノート ニスモ/ノート ニスモSとも、それぞれ専用のボディ補強が施されている。当然、補強の仕方が違うので、セッティングの異なった専用サスペンションも装備されている。どちらも、ノーマルのノートのは別物の走行性能をもっている。

そして、注目のノート ニスモSには、専用チューンされたHR16DE型が搭載された。98ps/142Nmを発揮していた1.2LのHR12DDRに対して、HR16DEは140PS/6400rpm、163Nm/4800rpmと、トルクこそ大きな差は無いものの最大出力は42psもアップしている。

このHR16DEエンジンは、国内では商用バンのNV200に搭載されているなど限定的に使われているもの。ただ、NV200でのスペックは、109ps/152Nm。ノート ニスモS用にかなり思い切ったチューニングが施されていることもあり、エンジン型式は一緒でも、まったく違ったものとなっている。そのため、ノートニスモS用HR16DEは、レギュラーガソリン仕様から、ハイオク仕様に変更。マーチニスモSと同様に、エンジンをブンブンと回したくなる仕様になっているようだ。

価格は、ノートニスモが1,952,640円。ノートニスモSが2,244,240円。自動ブレーキのエマージェンシーブレーキが装備されていないのが残念。ただ、専用装備がこれほどプラスされてノートニスモの価格が200万円を切っているのは、かなりお買い得感がある。見た目だけでなく、走行性能まで含めたトータルチューニングは、まさに日産ワークスのニスモだからできる技ともいえるだろう。ノートニスモは、AT免許でも乗れるスポーツモデルとして価値あるモデル。別に走行性能は関係ないけど、よりスポーティに見え個性的なクルマが欲しいという顧客にも合う。

また、5MTのみの設定となっているノートニスモSは、かなり硬派な設定。ハイパワーな専用エンジンとMTが搭載され、デザインは同じでも、もはやノーマルのノートは違うクルマとなっている。週末には、MTを駆使してミニサーキットなどでガンガンと走りたい、そんな顧客に向く仕様だ。価格的にも、お買い得感なので日産ファンのMT派にもいだろう。

■・価格:ノートニスモ CVT 1,952,640円/ノートニスモS 5MT 2,244,240円