スズキ スイフト

 

<スイフトの中では買い得感があるものの、ライバル車より高めの価格設定>

スズキスイフトスズキ スイフトは、グローバル戦略車として投入されたコンパクトカー。そのため、その走行性能などは、高く評価されている。そんな スイフト に特別仕様車「STYLE」、「STYLE-DJE」を、また特別仕様車「RS」に「RS-DJE」を追加設定し一部仕様変更を行い発売を開始した。

スイフトは、2010年8月にフルモデルチェンジし現モデルで3代目。2代目が成功を収めたこともあり、3代目スイフトは2代目とそれほど変わり映えしないデザインとなっている。ただし、走行・燃費性能は一段と進化している。また、軽自動車燃費戦争で、常にトップの座を狙い続けているスズキだけに、燃費性能も高いレベルにある。2011年8月には、アイドリングストップ機能を追加している。

ただし、コンパクトカーはハイブリッド車が中心にあり、ハイブリッド車と比べられるとガソリン車は非常に厳しい状態。ハイブリッド車を持たないスズキは、とにかくガソリン車の燃費を向上させなければ勝機はないという状態だ。そこで、2013年7月にスズキは、ワゴンR で開発した低燃費技術エネチャージをスイフトにも搭載。

さらに、スイフト用の低燃費技術として、1気筒あたり2本のインジェクター(燃料噴射装置)を装備したデュアルインジェクションシステムを採用したデュアルジェット エンジンを搭載した。これらの技術により、26.4㎞/Lというクラストップの低燃費性能を実現。

ただ、この数々の低燃費技術を投入した結果、デュアルジェット エンジンを搭載したモデルは大きく価格が上昇した。

今回投入された特別仕様車「STYLE(スタイル)」が設定された。この特別仕様車は、「XG」と「XG-DJE」をベースとしたモデル。専用メッキフロントグリル、切削加工とブラック塗装を施した16インチアルミホイールを装着。車体色にはモノトーンに加え、2トーンルーフ仕様車も設定されている。

スイフトは、良くいえば質実剛健。悪く言えば地味。そのため、どうしても実用車的なイメージが強い。これらの装備で、そんなスイフトが、ちょっと豪華でスタイリッシュになった印象だ。

インテリアも同様。レザー調とラックススェードを組み合わせた専用シート表皮などを採用して質感を向上。リモート格納ミラーやIRカット機能付フロントガラス、プレミアムUVカットガラス(フロントドア)など装備を充実させ、快適性をアップさせた。また、豪華装備であるディスチャージヘッドランプ、フロントフォグランプ、LEDイルミネーションランプをセットでメーカーオプション設定した。

また、「RS」グレードに、デュアルジェット エンジンとエネチャージを組み合わせた「RS-DJE」が追加設定。LEDイルミネーションランプを採用するなど、一部仕様変更も行われている。

スズキスイフトスイフトの選び方は難しい。標準車とDJEモデルとでは、燃費性能が大きく異なる上に、価格差も大きい。価格差は、XGで約12万円もある。DJEモデルは、エコカー減税が免税となり、減税金額差は約5万円。なので、減税分で価格差を埋めることはできない。あまり距離を走らない人では、車両の価格差を燃費差による燃料費で補うことは難しくなる。逆に、毎日の通勤などで使い、長く乗るというのであればDJEという選択になる。

特別仕様車スタイルDJEの価格は、1,588,680円。ベースのXG-DJEの価格が1,437,480円なので、価格差は約15万円。追加された装備類で比較すると、お買い得感のある価格設定だ。スイフトの標準車は、ちょっと地味すぎると感じている人にはお勧めの特別仕様車といえるだろう。

ただし、絶対的な価格視点では、あまりお勧めできない価格帯になる。約160万円という価格は、コンパクトカーとしては安くはない。燃費性能は、スイフトに劣るものの、ホンダ フィット の上級グレード13G Lパッケージは約150万円。これに、追突被害軽減自動ブレーキのシティブレーキアクティブシステムと、サイドエアバッグ、サイドカーテンエアバッグをオプションで選んでも約160万円となる。スイフトには、追突被害軽減自動ブレーキが無いなど、このあたりの装備差をみてジックリと決めるといいい。また、短期間で乗るのなら、リセールバリューはフィットが勝るので、コンパクトカーを経済的に乗りたいのなら、こうしたことも考慮する必要がある。

価格:・STYLE 2WD CVT 1,467,720円 4WD 1,679,400円
・STYLE-DJE 2WD CVT 1,588,680円 4WD 1,767,960円