＜クラストップレベルの室内高で、広々空間をアピール＞
デイズ ルークス ハイウェイスター
日産は、新型軽自動車デイズ ルークスの発売を開始した。
デイズルークスは、軽自動車マーケットにおいて、スーパーハイト系と呼ばれるジャンルに属する。ライバルには、スズキ スペーシア やダイハツ タント 、ホンダN BOX があり、最近人気が急上昇しているセグメントで、デイズルークスが最も後発のモデルだ。ライバルと同じく、標準車の他に、スポーティなルックスのハイウェイスターが用意されている。さらに、デイズルークスには、オーテックジャパンがプロデュースするライダーがあり、3つの外観から選べるという点では、ライバルと差別化できている。
このクラスの特徴は、全高を1,775mmという背の高さから得られる広大なスペースと、スライドドアという利便性。そういった特徴から、小さな子供がいる子育て層や、シニア層にも人気が出ている。 軽自動車の場合、すでに全長・全幅は規制いっぱいまで広げられていて、スペースを広げる唯一残されていた部分が全高なのだ。ただ、背を高くすると、重心高が高くなり横転の危険性が高まり、また空気抵抗が大きくなるため燃費にも不利と、クルマの性能という視点で見るとなにひとつ良いところはないくらい。そのため、各車燃費と操縦安定などを確保しつつ最大の室内空間を確保するために、微妙に全高が異なる。デイズ ルークスは1,775mmで、スペーシアが1,735mm、タントが1,750mm、N BOXが1,780mmとなっている。N BOXの大ヒットの要因がこの全高の高さと言われている。
全高は5mmほどN BOXより低いデイズ ルークスだが、室内高は1,400mmとクラストップ。この高さは、小さな子供を立たせたまま着替えができたり、お年よりも体を必要以上に屈めることなく乗車できる利便性をもつ。さらに、左右スライドドアなので、駐車場で左右のクルマの気にすることなく乗り降り可能なのも便利だ。
この便利さは、パッケージングだけでなく、インテリアの装備系にも及ぶ。軽自動車として初採用されているのが、リヤシーリングファン。エアコンの風を後席へ送風するというもの。さらに、ドアライニング内臓のロールサンシェードもあり、後席への直射日光をカットし、体感温度はマイナス4度の効果があるという。UVカット率が高いのもデイズルークスの特徴で、ライバルの多くがフロントガラス以外約89％以下のUVカット率なのだが、新型デイズルークスは約99％カットで断熱グリーンガラスとなっているのだ。後席へ快適性アップは、主に子育て層に向けたもの。小さな子供が快適に移動できるためのものだ。また、UVカット関連は、子供だけでなく、実際に運転するママドライバーへの配慮。日焼けを気にせず移動することができる。こういった、ドライバーや同乗者への配慮がデイズルークスの最大の魅力と言っていいい。
搭載されるエンジンの出力は並み程度といえる49ps＆59Nm。走りそのものに不満は無いが、力強いともいえない。燃費は、今ひとつで26.0㎞/Lと、最後発のわりには、すでに発売済みのスペーシアの29.0㎞/Lを超えることはできなかった。それでも、なんとかエコカー減税は免税だ。ターボ車の場合、未だにアイドリングストップ機能が装備されておらず、燃費は22.2㎞/Lと、スペーシアカスタムの26.0㎞/Lと比べるとこちらも差が出ている。
燃費だけでなく、安全装備も最後発なのに競争力はデビュー直後から無い。追突被害軽減自動ブレーキは、オプションどころか用意されていない状況。これだけなら、まだなんとかなるのだが、横滑り防止装置（VDC）は、ターボ車のみに標準装備で、他のグレードはオプションもしくは選べもしない状況。子育て層に快適さばかりをアピールして、肝心な安全装備に関しては貧弱ということになる。評価できるのは、一部のライバルには用意されていないサイドエアバックがハイウェイスターには標準装備されている点だ。まぁ、これも標準車には、オプションで選ぶこともできないグレードがあるので、微妙な状態といえる。
最後発であるのに、安全装備や燃費はライバルを超えることのできないデイズルークス。現状では、非常に選びにくいクルマ。ただ年内中に、追突被害軽減自動ブレーキを装備できるように計画中だという。追突被害軽減自動ブレーキが装備できるようになれば、横滑り防止装置も一緒に装備されるので、デイズルークスを考えるのならば、追突被害軽減自動ブレーキが装備されてからのモデルをお勧めしたい。
■価格（2WD車）
S 1,240,050円
X 1,338,750円
ハイウェイスターS 1,457,400円
ハイウェイスターX 1,524,600円
Gパッケージ 1,594,950円
ハイウェイスター ターボ 1,734,600円
