アルファロメオ ミト
<趣味性が強いからといって、高額では売れない時代。ベイビーアルファがより身近に>
アルファロメオ ミトは、2009年に日本で発売が開始。ボディサイズは、全長4,070mmとコンパクト。日本でも使いやすいサイズの輸入車だ。パワーユニットは、1.4Lターボという最新のダウンサイジングエンジンがされており、アルファロメオ初となる乾式デュアルクラッチオートマチックトランスミッション「Alfa TCT」が組み合わされていた。また、早くからアイドリングストップ機能も装備されており、今となっては今ひとつの燃費性能だが、デビュー当時は高い環境性能を誇っていた。また、アルファロメオの楽しさはMTだったが、TCTとなったため、だれでもダイレクト感あるアルファロメオを走りを楽しめるようになったのも特徴だ。

また、デザインはさすがアルファロメオというもので、小さいボディながら圧倒的な存在感とユニークさをもつ。さらに、その小さなボディの魅力をあますことなく味わえる切れ味鋭いハンドリングも魅力のひとつ。アルファロメオらしさが凝縮されているモデルといえる。

ミトは、コンパクトカースポーツとして、非常に魅力的ではあるが、今となってはフォルクスワーゲン ポロが218万円からという価格帯になっているため、割高な印象が強い。アルファロメオは、趣味性の強いマニアなクルマというのが現状で、販売台数が少ない分高価な価格でも十分だった。しかし、国内マーケットは輸入が大人気。ドイツ系を中心に各社販売台数を大きく伸ばしている。趣味性の強いアルファロメオとはいえ、より販売台数を伸ばさなければならないというのは、メーカーである以上当然のこと。とくに、最近ではゴルフ7やボルボV40など、ひとクラス上のCセグメント車がリーズナブルな価格設定でイッキに販売台数を伸ばしている。いつまでも、プレミアムブランドだからとか、趣味のクルマだからといって高額な価格設定では戦えない状態になっている。当然、アルファロメオ ミトとはいえ、再度、価格設定の見直しをして、価格訴求することも必要となってきたのだ。

そこで、アルファロメオはミトの価格改定を行った。ミト スプリントを、アルファ ロメオブランドのエントリーグレードとしてラインアップに再導入。装備内容を見直し、価格を引き下げている。278万円だった価格は、2,614,500円となった。この価格を同じ1.4LのポロのブルーGTが263万円なので、やや安めの設定。ただし、ポロも同様なのだが、この価格帯だと、ひとクラス上のゴルフ コンフォートラインが買えてしまうのだ。もうひと頑張りしてほしい価格と言える。

また、ミトの上級グレードであるミト コンペティツィオーネは、これまでオプション装備だったレザーシートを標準装備とするなど商品内容を向上させた。その上、従来モデルより車両本体価格を引き下げ、292万円だったこのモデルは、2,908,500円となり買い得感はかなりアップしている。小さい高級車的な仕様だ。それでも、やはりこのサイズのクルマが約290万円というのは、安いとは言えない。

また、安全装備面では、最新トレンドである追突被害軽減自動ブレーキが採用されていないことや、燃費性能もいまひとつだ。安全装備に関しては、自動ブレーキを除くと高いレベルなので安心。2009年にデビューと、モデル中期に入っていて最新モデルと比べると厳しいのは事実。そうなると、装備やパフォーマンスで比較すると、まだまだ価格的には高価な印象は高い。走りやスタイリングなどで、ドイツ系車種とは違ったテイストをもつアルファロメオ ミト。もはや、クルマ好きだけをターゲットにするにはもったいないクルマだ。価格引き下げで、さらなるアルファファンを増やしてもらいたい。

価格:スプリント 2,614,500円。コンペティツィオーネ  2,908,500円

 

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