クルマでしか行けないVol.32 君津の築160年の長屋で食す絶品ピザ「カンパーニャ」
先日、ロサンゼルスでアカデミー賞受賞式が開催されました。きらびやかな会場の様子が世界中に映し出されましたが、そこで少し変わった出来事が。
なんと会場にデリバリーピザが届けられたんです! ドレスアップした姿で一斉にピザを食べるというなんともシュールな光景に、受賞の行方を見守る人たちもきっとほほを緩めたことでしょう。
たまたま中継を見ていた筆者もその1人。しかし、気持ちは「どの作品が作品賞を受賞するのか」ではなく、「ピザが食べたい」に変わっていました。

気が付けばピザ屋さんを検索。せっかく食するのであれば誰もが納得する名店で最高の1枚を!ということで見つけたお店は千葉県君津市の山奥にありました。店名は「カンパーニャ」。築130年!の古民家を改装したピザ屋さんです。

京葉道路を走り館山自動車道を木更津方面へとクルマを走らせます。木更津JCTで首都圏中央連絡自動車道から木更津東ICで降りて国道410号線に。
山奥へとクルマを進めること30分でカンパーニャさんに到着。

まるで太陽のような看板がカンパーニャさんのへの目印。
看板近くの路地を注意して探してください。
奥に見えるのがカンパーニャさんです。
国道から外れ、少々、奥まった場所にあるにも関わらず、駐車場にはすでに
数台のクルマが停まっており、カンパーニャさんの人気の高さを伺えます。
これは期待できるぞ!と、高鳴る胸を落ち着けながら店内へ。


築160年の母屋。今から160年前というと、
黒船が来航した江戸の末期になります。
「いらっしゃいませ!!」という元気な声で通された店内は和と洋、モダンとレトロが入り混じる独特な世界観。
まるで明治や大正時代にタイムスリップしたかのような気分で、どこか居心地の良さを感じます。


壁や照明だけでなく床板1枚にまで拘って改装された店内。
カンパーニャさんの定番だという「マルゲリータ」と「ビアンカハーブ」を注文。しばらくして「マルゲリータ」が登場!
美しい焼き色とチーズの凹凸がなんとも芸術的です。バジリコにトマト、そしてチーズというシンプルなトッピングなので、どんな感動を与えてくれるのか食べてみるまで想像ができません。ということで、早速一口。

トマトの甘さと濃厚なチーズのうま味がクセになります
「甘い!!」チーズの中に隠れていたトマトがものすごく甘いんです。
その理由を聞いてみると、普通のトマトではなく水を与える量を減らして濃度を高めて育てたフルーツトマトを使用しているとのこと。なるほど!今まで味わったことのない甘さにも納得です。
あっという間に完食し、続けて「ビアンカハーブ」へと手を伸ばします。

見た目のボリュームとは違ってさらりと食べてしまえる味わい。
生地の柔らかさに是非驚いてください。
こちらは先ほどの「マルゲリータ」のシンプルさとは対照的に、ベビーリーフと自家製のベーコンがふんだんにトッピングされ賑やかです。
しかし、驚くのは見た目よりも味でした。噛めば噛むほど味わいの出るベーコンと、ほんのりと甘くクレープのように柔らかい生地のコンビネーションが抜群。さらに、食感にアクセントを与えるベビーリーフ。“この味ハリウッドスター達にも味あわせてあげたい”、と思いながら2枚のピザを堪能しました。

生地を投げ上げる姿はもはやアーティストです。
石窯もオーナーの加藤さんの手作りという徹底ぶり。
「ここは私の生まれ育った家なんです。この場所を活用してなにかお店を始めようと考えていた時、頭に思い浮かんだのが若いころに食べた1枚のピザでした。その美味しさを思い出し、古民家のピザ屋も面白いなと。それから2年かけて自分の手でこの家屋を改装し、オープンしたのが今からちょうど9年前です」とオーナーの加藤さん。

そんな加藤さんにゆずれないことは、と尋ねると「こんなところまでわざわざ来てもらったお客様ががっかりしないように、おいしさと居心地の良さで応えるように心がけています。そのためには素材と手間には絶対に妥協しません」と、聞かせてくれました。

ご主人の加藤満穂さん(右)を支える
奥様の敬子さん(中)と健太さん(左)。
<アクセス>
カンパーニャ
住所:千葉県君津市大戸見296
TEL : 0439-29-2373
OPEN:11:00~17:00(17:00~20:00は2名様からの予約のみ)
定休日:毎週 火・水曜日
HP:http://blogs.yahoo.co.jp/muranopizaya