大幅に高級感をアップした特別装備でお買い得だが、あえて旧型を買うのなら大幅値引きも必要だ


ホンダ フィットシャトルホンダは、コンパクトサイズのワゴン車である「フィット シャトル」「フィット シャトル ハイブリッド」に、豪華装備を施した特別仕様車「クールエディション」を設定し発売を開始した。

ホンダ フィットシャトルは、2011年にデビューしたばかりのワゴンモデル。車名からも分かる通り、ホンダの主力コンパクトカーのフィットがベースとなっている。フィットシャトルが登場する以前は、カローラフィールダーの独占市場。そのマーケットに、ハイブリッドモデルを投入することでワゴン車を好む顧客の獲得を狙った。基本性能の高いフィットがベースで、燃費の良いハイブリッドもラインアップされたこともあり、発売当初は大人気モデルになった。

ただ、ベースとなるフィットは2013年9月にフルモデルチェンジ。ハイブリッドシステムもまったく新しいシステムへと変更。スポーツ・ハイブリッドi-DCD(インテリジェント・デュアル・クラッチ・ドライブ)を搭載した。当然、プラットフォームも新しいものとなり、ガソリン車もパワーユニットを刷新している。先代モデルとは比べものにならないほど進化した。当然、近い将来フィットシャトルもフルモデルチェンジする。そうなると、旧型のままのフィットシャトルでは、少々選びにくい状況になっている。今回投入された特別仕様車もお買い得とはいえ選びにくく、基本的には新型を待つべきだろう。

フィットシャトルのライバルには、ハイブリッドモデルが投入されたカローラ フィールダーハイブリッドがある。メイングレードとなるカローラフィールダーハイブリッドGの価格は、2,165,000円とかなり高価だ。さらに、フィットシャトルハイブリッド スマートセレクションに装備されているHIDやアルミホイールも装備されていない。燃費性能は、はるかにフィットシャトルを上回るが、価格も高く装備もフィットシャトルハイブリッドにほどではない状況だ。そのため、予算ベースではライバルとして比較しにくい。ただ、カローラフィールダーハイブリッドの完成度は高く、フィットシャトルハイブリッドを大きく上回る燃費を含め、予算に余裕があるといのであれば、今は確実にカローラフィールダーハイブリッドを選択したほうが満足度は高い。

ホンダ フィットシャトルそうなると、フィットシャトルハイブリッドを選ぶ理由は価格が安く、ガソリン車に比べれば多少燃費がよい、ということになる。ただ、これもちょっと微妙でガソリン車の特別仕様車クールエディションが1,720,000円。ハイブリッドモデルが1,895,000円で、価格差は175,000円だ。つまり、この価格差がハイブリッド代となる。今後、ガソリン車とハイブリッド車2つの選択肢をもつモデルは、ガソリン車のリセールバリューがドンドン低くなる可能性がある。新車のトレンドが完全にハイブリッドにシフトしているからだ。そうなると、175,000円差があり、燃費差によるガソリン代の差で車両代を埋めることができなくても、リセールバリューまで含むと、その差は十分に埋まると考えられる。そうなると、やはりフィットシャトルもハイブリッドを選ぶべきだろう。

フィットシャトルのガソリン車を除くクールエディションには、ナビ装着用スペシャルパッケージが標準装備されていて、お買い得感を高めている。この装備は、ナビ装着が前提となる顧客には魅力的。お買い得感のあるフィットシャトルの特別仕様車クールエディション。このクルマの選びのポイントは、お買い得車だからといって満足してはダメ。近い将来、イッキに進化した新型が出るのだから、価格重視で選びたい。つまり、値引き金額で買うべきだろう。特別仕様車は値引きできないと言われたら、諦めるくらいでちょうどいい。新型がでれば現行モデルのリセールバリューは大きく下落することが予想できるので、その分くらいは値引きしてほしいものだ。ハイブリッドのクールエディション1,895,000円で30万円引きくらいならお買い得感はさらに出てくるだろう。

ただ、2014年3月末までのホンダ販売店で値引き交渉はかなり厳しい状態になることが予想できる。増税前の駆け込み需要で、顧客も増えている中、ホンダは新型車が続々登場しており、2~3月は大賑わいだろう。客はいくらでもいる状態なので、営業マンも値引きを強く望む顧客など後回しになる可能性が高い。フィットシャトルハイブリッドで、増税される3%分というと6万円弱程度。増税分の値引きしてもらうことを前提に、3月くらいから商談して、顧客が激減する5月あたりに購入するのが賢いといえるだろう。

●クールエディション特別装備
・ヘッドライトサブリフレクター(スモーク)
・フロントグリル(ダーククロームメッキ)
・リアライセンスガーニッシュ(ダーククロームメッキ)
・ハーフシェイド・フロントウインドウ(HYBRID特別仕様車 クールエディションのみ)
・専用インテリアカラー(ブラック)
・本革巻ステアリングホイール(ブルーステッチ)
・本革巻セレクトレバー(ブルーステッチ)
・プライムスムース&スウェード調、ファブリックコンビシート(ブルーダブルステッチ)
【快適装備】
・ナビ装着用スペシャルパッケージ
<価格>
・15X特別仕様車 クールエディション FF 1,720,000円/5AT 4WD 1,915,000円
・HYBRID特別仕様車 クールエディション FF 1,895,000円
・HYBRID・スマートセレクション特別仕様車 クールエディション FF 1,990,000円

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