BMW4シリーズ
<3シリーズとは全く違う流麗フォルム。さらに、BMWシリーズ中、最も低重心で切れのあるハンドリング性能>
BMW4シリーズBMWは、主力の3シリーズに今まであったクーペやかカブリオレを独立させ、新たに4シリーズとして発売を開始する。
今回、4シリーズが投入されたのは、クーペモデルを独立させたブランドにし、3シリーズとの違いをより明確にすることだ。クーペやカブリオレは、3シリーズセダンからの派生車種という見方ではなく、独立したブランドとして、より鮮明にクーペやカブリオレとしての価値を高めたいという狙いがある。一般顧客目線で言えば、3シリーズだと、ついついセダンやワゴンと価格を比べ、クーペ&カブリオレは随分高価な印象となる。しかし、4シリーズというブランドにしてしまえば、3シリーズと比べられることがない。割高感も払拭され、独自の世界観もアピールしやすくなり、結果として高価な価格でも売れることになる。今回投入された4シリーズクーペも、先代3シリーズクーペと比べると、なかなか強気の価格設定となった。

BMW4シリーズしかし、4シリーズクーペのスタイリングに関しては、もう少し3シリーズとの違いをひと目で分からせてほしかった。パッと見た目では、どっちがどっちだか分からないのだ。しかし、実際に写真を並べたりすると、明らかに違う。スペック上からも、違いは明確。4シリーズクーペのボディサイズは、全長4,640×全幅1,825×全高1,375mmでホイールベースは2,810mmとなっている。3シリーズセダンのボディサイズが全長4,625×全幅1,800×全高1,440mmとなっていて全長で+15mm、全幅で+25mm、全高はも65mm低い計算になる。この数値から、かなりワイド&ローなスタイルが強調されていることが分かる。

フロントフェイスは、ワイドなキドニー・グリルなどで横方向への広がり感をアピール。大型エア・インテークを備えたフロント・エプロンが、4シリーズクーペらしさを表現。フロントホイールアーチ後方には、「エア・ブリーザー」と呼ばれるダクトがある。フロントホイールハウスに流れこむ空気を、フロントサイドパネルに設けられたエア・ダクトから放出することで、ホイール周辺で発生する乱気流を抑え、空気抵抗を低減するものだ。カッコだけのダクトではなく、シッカリと高い機能が備わっているサイドビューのポイントだ。

BMWのこだわりは、約50:50前後重量配分。この重量配分が、これがBMWだっ! と、感じるほどの運動性能を生み出す。4シリーズクーペの場合、さらに現行BMWモデルで最も低い重心位置となった。その利点を生かすため、フロント・アクスルにトーション・バーが追加された専用サスペンションシステムを採用。拡大されたトレッドなどにより、クーペらしさをさらにアピールするキレのある走りを実現しているのだ。

BMW4シリーズこのキレのあるハンドリング性能を生かすパワーユニットは2つ。428iクーペには、2.0L直列4気筒BMWツインパワー・ターボ・エンジンを搭載。180kW(245ps)/5,000rpm&350Nm(35.7kgm)/1,250-4,800rpmを発生。435iクーペには、3.0L直列6気筒BMWツインパワー・ターボ・エンジンを搭載225kW(306ps)&400Nm(40.8kgm)/1,200-5,000rpmを発揮。このエンジンは、0-100km/h加速(ヨーロッパ仕様車値)わずか5.1秒と瞬足だ。

追突被害軽減ブレーキなどの安全装備などが若干遅れていたBMWだが、4シリーズクーペには「ドライビング・アシスト」を全車標準装備とした。ドライビング・アシストは、衝突の危険性が高まった際にドライバーに警告を発する「前車接近警告機能」、追突が不可避な場合ブレーキをかけ衝突を回避・被害の軽減を図る「衝突回避・被害軽減ブレーキ」、車線の逸脱をドライバーに警告する「レーン・ディパーチャー・ウォーニング」の3つの機能が含まれている。もちろん、歩行者検知機能も採用。歩行者への接近に対しても、ドライバーへの警告と衝突回避・被害軽減ブレーキを作動させる。

高価なクルマなので、当然といえば当然なのだが、未だ高級車でもこういった装備がオプションとしている国内メーカーに比べれば標準装備化という選択をしたBMWジャパンの判断は高く評価できる。

クーペモデルを好む顧客は、ディーゼルを選ばないだろうということから、ディーゼル車のラインアップがないのが残念。そうなると、BMW4シリーズの選び方は、ガソリンの428i&435iどちらかということになり、排気量なのか予算なのかどちらを優先するかということになる。428iと435iの価格差は、エントリーグレードで130万円以上ある。予算に余裕があるのなら、6気筒の435iがクルマのキャラクターとも合い、スポーティでいながら上質だ。

428iでも435iどちらを選ぼうとも、Mスポーツがおすすめだ。専用サスにエアロパーツ19インチホイールなどが装備されていて、最もスポーティなグレードとなる。少し高価なグレードとなるが、リセールバリューはMスポーツが圧倒的に高くなるので、多少高価でも選んで損はないだろう。
■BMW4シリーズクーペ価格
・428iクーペ ¥6,040,000
・428iクーペSport ¥6,240,000
・428iクーペLuxury ¥6,460,000
・428iクーペM Sport ¥6,440,000
・435iクーペ ¥7,380,000
・435iクーペSport ¥7,540,000
・435iクーペLuxury ¥7,580,000
・435iクーペM Sport ¥7,740,000

  • クルマと増税2014
  • 新車ニュース
  • クルマと増税コラム
  • クルマ売買トラの巻
  • 暮らしと増税
  • まにあうクルマ、まにあわないクルマ