「ベストバイは、侮りがたい1.3L車！影が薄い1.5L車」ホンダフィット購入ガイド

＜ハイブリッドだけでなく、ガソリン車も新エンジン＆新プラットフォームになり大幅進化＞

国内で203万台もの累計販売台数をもつ人気車種がホンダフィットだ。フルモデルチェンジしたフィットの話題の中心は、ハイブリッドモデルなのだが、ガソリン車も大幅に進化した。新設計のプラットフォームやエンジンが投入されるなどし、コンパクトカートップレベルの実力をもつ。ガソリン車は、1.3Lと1.5Lが用意された。

量販グレードに搭載され、最もベーシックな1.3Lエンジンは、アトキンソンサイクルDOHC i-VTECとなった。73kw＆119Nmというパワーとトルクを発揮。燃費は26.0㎞/Lという低燃費を実現。これは、同じ排気量をもつマツダデミオスカイアクティブの62kw＆112Nm、25.0㎞/Lを上回った。つまり、出力＆燃費ともクラストップレベルとなっている。さらに、排気ガスを再循環させるクールドEGRや、キャパシタ電源アイドルストップシステムなど、最新の低燃費技術が投入されている。

この1.3Lエンジンの低燃費能力は高い。平均速度70㎞/h程度で流した時の燃費は、25.0㎞/Lを超えるほどだった。パワー＆トルクにも不満はなかった。13G　Fパッケージの価格が1,360,000円。ハイブリッドのFパッケージが1,830,000円なので、その価格差はなんと47万円。燃費でわずかに勝るハイブリッドとはいえ、これだけ低燃費な1.3L車と比べられると分が悪い。燃費差による燃料費でハイブリッド車との価格差を埋めるのは、ほとんど無理といえる状態になっている。これだけコストパフォーマンスが優れていると、ハイブリッド車でなくてもと思うほどだ。フィットでは、この1.3L車がベストバイとなる。

ホンダフィット

こちらも新開発となる1.5L直噴DOHC i-VTECエンジンは、力強い走りと上質なフィールを実現し、従来モデルに対して最高出力を約10％向上。97kw＆155Nmというパワーとトルクをアウトプットする。この1.5Lは、走りに余裕が欲しい顧客向けとのことだ。確かに1.3Lよりパワフルで余裕があるものの、1.3Lよりも大幅に高価となる。限りなくハイブリッドとの価格が近付いてしまうことになり、それならハイブリッドを・・・、そんな感じになる。

1.5L車には、6MTも用意された走りを楽しめるRSが設定されいる。このRSも古典的なスポーティ車の表現で終わっていて、新しさはまったく感じない。せっかくダイレクトなフィーリングをもつ7速DCTを搭載したハイブリッドがあるのだから、こちらをベースにRS化したほうが、よほどホンダらしい新しさを表現できるはずだ。1.3Lと1.5Lとも、組み合わされるミッションはCVT。このCVTも新設計で、従来モデルより約8％ワイドレシオ化。その他の技術も含め、従来モデルより約5％もの燃費向上を達成している。

新型ホンダフィットは、プラットフォームも刷新されている。ホンダの伝統ともいえるセンタータンクレイアウトを採用。　ボディサイズは、全長が3,955mmとなり先代より+55㎜、ホイールベースは2,530㎜となり先代より+30㎜拡大。これにより、ほとんど不満のなかった2代目フィットより、さらに広大なスペースを確保している。全席と後席のタンデムディスタンスは+80㎜、膝まわりを+65㎜、足元まわりを+115㎜拡大。コンパクトカーとは思えないほどの広大な室内を作り出した。

また、防音材と遮音材の適用面積を最大化。段差の乗り越え時に発生するショックノイズを大幅に低減し、ミドルクラス乗用車並みの静粛性能を得た。デザインは、エキサイティングHデザインと呼ばれ、先進性/面室・高い質感/骨格・構成という3つの柱で構成されている。今のところ、このデザインに関しては賛否両論。どうやら、好き嫌いが明確に出ているようだ。コンパクトカーは量を売らなければいけない商品。そのため、好き嫌いが出ると、販売面では不利とも言われている。しかし、デビュー直後の販売面は好調で、過去最高の売れ行きだという。

フィットの選び方は、コスパ重視なら1.3L車がおすすめだ。エントリーグレードは13Gの価格は、1,265,000円となかなかリーズナブルではあるが、装備は貧弱。実際は13G Fパッケージの1,360,000円をベースに必要な装備を選ぶといいだろう。Fパッケージでも装備はシンプルで、アームレストが無く、マニュアルエアコンになる。そうなると、十分に納得できる装備となると、Lパッケージの1,461,000円となる。さらに、スポーティなものをとなるとエアロパーツ類が装備されたSパッケージが1,560,000円で用意されている。

ぜひとも選んでほしいオプションは、低速域での追突被害軽減ブレーキと誤発進抑制機能、サイドカーテンエアバッグなどが60,000円で装備できる安心パッケージだ。価格アップはわずかながら、安全性能は大幅にアップする。そうなると、Lパッケージに安心パッケージを装着すると1,521,000円となり、これなら十分な装備といえる。

■ホンダフィット価格
◆1.3Lガソリン車
・13G　CVT FF 1,265,000円
4WD 1,454,000円
・13G　Fパッケージ 5MT FF 1,360,000円
CVT FF 1,360,000円
4WD 1,549,000円
・13G　Lパッケージ FF 1,461,000円
4WD 1,650,000円
・13G　Sパッケージ CVT＋パドルシフト FF 1,560,000円
4WD 1,749,000円
◆1.5Lガソリン車
・15X　CVT FF 1,580,000円
4WD 1,769,000円
・15X　Lパッケージ FF 1,680,000円
4WD 1,869,000円
・RS 6MT FF 1,800,000円
CVT＋パドルシフト FF 1,800,000円