【発表前に限定車って？】フォルクスワーゲンゴルフ新車情報

＜フォルクスワーゲンの基幹車種ゴルフがフルモデルチェンジ＞

全幅1800mmというワイドにボディになった

フォルクスワーゲンは、夏前に7世代目「フォルクスワーゲンゴルフ」を導入する。一般的には、正式発表と同時、もしくは一定の期間後に限定車などが導入される。しかし、今回のNEWゴルフでは、なんと、正式発表前に限定車が出るという異例の状態になっている。今回導入されるゴルフの限定車は、デア・エアステと呼ばれ、1.2LのTSIコンフォートラインと1.4LのTSIハイラインが用意される。TSIコンフォートラインが、750台限定で279万円。TSIハイラインが、1,250台限定で305万円の設定だ。合計台数は、2000台という限定車にしては、かなり多い数字となっている。

ゴルフが属するクラスは、Cセグメントと呼ばれ、世界的にも過酷な競争が繰り広げられている。日本マーケットにおいては、今年に入りメルセデス・ベンツAクラスに、ボルボV40、フォードフォーカスと、続々と新型車が投入されている。とくに、ボルボV40は、価格戦略に大きく踏み込んで、装備やパフォーマンス的にも十分に納得できる269万円という価格を打ち出した。フォルクスワーゲンは、そこに危機感を抱いていると考えられる。

相変わらずシンプル過ぎるインパネ。

さらに、日本国内に生産工場を持たない輸入車メーカーの場合、数ヶ月かけて船でクルマが日本に持ち込まれる。導入初期は、とくに見込み発注となる。そのため、色、グレード、装備などがマーケットのニーズとずれると、受注できても登録できない状態が発生する。また、売れ過ぎると、そう簡単に生産台数を増やすことができず、多くの顧客を待たせる結果となり、最悪、キャンセルが発生する。フォルクスワーゲンは、ポロやup!の導入時に、日本に割り当てられた台数が少な過ぎて、受注できても登録できるクルマがないという状況が続いた。さらに、2014年4月からは、消費税アップ。輸入車は、そういった事情で駆け込み需要に対応できない可能性が高い。今回、正式発表前に、2000台というかなり多い限定車を早々に出すことで、同じ仕様で効率的に販売台数を確保し、今後の発注の見込みを立てたいのだろう。

＜300万円超の価格だが、注目は気筒休止エンジンを搭載したデア・エアステ1.4LのTSIハイライン！＞
ゴルフデア・エアステは、1.2Lと1.4Lという排気量の違う過給器付きエンジンが用意されている。低燃費性能という部分は、1.4Lエンジンに注目だ。このエンジンは、一定速度の走行など、条件が整うと真ん中2つのシリンダーが休止する。つまり、2気筒エンジンにして、無駄なガソリンの使用を徹底的に回避する。燃費は申請中ということで、公表されていないが、かなりの低燃費であることが期待できるだろう。

中央2つのシリンダーが停止して、無駄なガソリンの消費を抑制。

装備面では、かなり高い安全装備が標準装備されている。クラス初装備となるのは、衝突事故に遭遇した場合、2次衝突の危険を最小化するために、クルマに自動的にブレーキをかけて、残存する慣性エネルギーを効果的に減少させるマルチコリジョンブレーキを採用。さらに、up!で好評のシティエマージェンシーブレーキ進化型フロントアシストプラス（ミリ波レーダー）に、ACC（アダプティブクルーズコントロール）やフロントカメラを組み合わせたレーンキープアシストなどが装備される。

燃費と安全装備など、ケチの付け所がほとんどないくらいの仕上がりを誇るゴルフデア・エアステ。強いて言うのなら、ゴルフなのに全幅は1800mmにも達したことだ。国産車でいうと、クラウンと同じ。今までのモデルより、日本の狭い道で使うには少々気を使うケースが多くなるだろう。

＜VW Golf TSI Comfortline Der Ersteスペック＞
全長 x 全幅 x 全高（mm）　4,265 x 1,800 x 1,460
エンジン　直列4気筒DOHC インタークーラー付ターボ（4バルブ）
排気量　1,197cc
最高出力　77kW（105PS）/4,500-5,500rpm
最大トルク　175Nm（17.8kgm）1,400-4,000rpm
車重(kg) 1,240
価格　279万円　750台限定

＜VW Golf TSI Highline Der Erste スペック＞
全長 x 全幅 x 全高（mm）　4,265 x 1,800 x 1,460
エンジン　直列4気筒DOHC インタークーラー付ターボ（4バルブ）
排気量　1,394cc
最高出力　103kW（140PS）/4,500-5,000rpm
最大トルク　250Nm（25.5kgm）/1,500-3,500rpm
価格　305万円　1,250台限定