いま見ておくべき車達

自動車のなにが面白いのか?そういう難しい質問をしないでください。そんなことが分かれば世話がないのです。逆に面白いと感じない方との間には深遠な溝があるのかもしれません。でも面白いと感じない方にも、こんな車どうでしょう?面白い面白くないではなく。年の瀬こそイベント的な要素は廃して、むしろ冷静に「いま見ておくべき車達」をどうぞ。
日産 GT-R エクステリア/フロント

※下記8台は全て12月18日現在のガリバー特選中古車在庫で、既に販売が終了している場合があることをご了承ください・・・

BMW 320i(H10年式) 「85万0500円」

BMW 320i(H10年式) 85万0500円

 まずは今週のジャーマンネオクラから。この車が初めて日本向けに紹介された時の東京モーターショウは今でも忘れることができません。それまでのよく言えば前時代的な角ばったボディーでスポーティーを標榜してきた3シリーズが、とてもスマートな革新的なメッセージのこもったデザインをまとってモデルチェンジ。に加えて、このサイズでありながら驚くほどおさまりの良い室内は、今では国産車もパッケージのいい車は多いですが、当時は確実に差がありました。日本車ではなしえない匠のパッケージ。この感動たるや忘れることはできません。

 M52型の2リットル直列6気筒は、お世辞にも低速トルクが潤沢とはいえませんが、高速道路では心地よい、金属的な芯のあるヘルデン・テノールの歌声を披露しながら、ぐいぐいと運転するものを心地よい境地へといざないます。内装も今の3に比べて質素ですが、部品一つにお金がかかっているという状況は、洋の東西同じのようです。思えばメルセデスの190Eの出来に真摯に答えた結果がこの車と言えるでしょう。自動車にムジーク(音楽)を!駆け抜けるほどに、響く英雄の歌。これぞBMW、であります。

BMW 320i(H10年式)エクステリア/リア
BMW 320i(H10年式)インテリア/インパネ
BMW 320i(H10年式)インテリア/シート

BMW 318i(H14年式) 「142万2750円」

BMW 318i(H14年式) 142万2750円

 このライトグリーンのボディーカラーは、E46シリーズの最終型カタログカラーでした。実はとても素敵な色だと思っていたのですが、あまり台数は出ていないようです。BMWなのに(失礼!)安らぎのたたずまいを演出できるボディーカラーではないでしょうか。一台選ぶならこういう選択をしたいと思います。

 E36 シリーズでは、額面では当時のゴルフよりもアンダーパワーだった318。しかし低速トルクが豊かなセッティングで案外よく走ったものです。こちらのE46型後期318iに搭載される直列4気筒は当時フラッグシップ7シリーズ用のV8についで採用したダブルVANOSも手伝って、自動車用エンジンとして全うな、きわめて扱いやすい、説得力のあるパワープラントです。 長いことふれこみ先行で高評価を得てきたBMWのストレートシックスと並べても、廉価版になり下がらないだけの魅力があるのです。などという薀蓄は表に出さなくたってよいのです。普通に使えて、品のいい車。それがたまたまBMW318だったというだけなのです。そういう奥の深いセダン選びにうってつけです。駆け抜ける歓び、駆け抜けずとも慶び。

BMW 318i(H14年式)エクステリア/リア
BMW 318i(H14年式)インテリア/インパネ
BMW 318i(H14年式)インテリア/シート

メルセデス・ベンツ C240(H13年式) 136万5000円

メルセデス・ベンツ C240(H13年式) 136万5000円

 最近、車のカラーはグリーンでなくてはいけないような気すらしているのですが、自分でもこの症状は問題だと反省しております(合掌)。でも仕方がありません。品がいいですもの!このCクラスを見てください。私の中では、「ベンツを買う」のではなく「メルセデスを選ぶ」のであって、なおかつそのメルセデスとはこういう感じなのです。

 日本語とは実に難しい、が、メルセデスに対する私の気持ちは、おそらく日本語でのみ表現できるのではないかとも思っております。 ですから、威丈高に、スポーツライン的な方向のみの充実を図っている昨今のベンツには全くよろめかないのであります。これまでの反動、と言わざるをえないほどの、この時代のメルセデスベンツのソフトな感触にふさわしい、中間グレード用の、しかしゆとりの2.6リットルV6エンジンでほのぼのクルージング。今ここに、選ぶべきメルセデス。

メルセデス・ベンツ C240(H13年式)エクステリア/リヤ
メルセデス・ベンツ C240(H13年式)インテリア/インパネ
メルセデス・ベンツ C240(H13年式)インテリア/シート

ランドローバー レンジローバー オートバイオグラフティー(H11年式) 212万1000円

ランドローバー レンジローバー オートバイオグラフティー(H11年式) 212万1000円

 毎週ご紹介する中で、英国車ではジャガーを多数ご紹介させていただいておりますが、実はレインジローヴァーも好感の持てる車です。何よりも後ろ姿に余韻があります。あの線の細い、オフロードカーでありながら優美な初代のデザイン原案は、決して高名な工業デザイナーの手によるものではなく、設計者チャールズスペンサーキング氏のものとされます。

 当初2ドアでスタートしたレインジローヴァー。スイスの高級車メーカー、モンテベルディ社の支援で4ドアされ、これが今日のレインジローヴァー(今のレインジローヴァー・VOGUE)の原点になります。いろいろな紆余曲折の末、四輪駆動というよりはプレスティッジカーとしての地位を確立したレンインジローヴァーの2代目が発表されたのは1995年。この車は1999年に限定販売された限定車です。穏便なヴィクトリア調の内装ではなく、IIトーンの内装はアヴァンギャルド。やはり、人とはちがう車に、という方にどうぞ。

ランドローバー レンジローバー オートバイオグラフティー(H11年式)エクステリア/リア
ランドローバー レンジローバー オートバイオグラフティー(H11年式)インテリア/インパネ
ランドローバー レンジローバー オートバイオグラフティー(H11年式)インテリア/シート

トヨタ クラウン アスリート(H18年式) 279万8250円

トヨタ クラウン アスリート(H18年式) 279万8250円

 これは反則でしょ。なんだかこの車を見ていて、クラウンという感じがしません。どう考えてもスカイラインです。それもGTR。「GTR感のあるクラウン」って日本車では最高なのではないでしょうか?率直に言ってかっこいいのでなんでもいいのですが。パール、黒でなくて、この色のアスリートはありだと思いませんか。

 想像してみてください。明け方のサーキット(ニュルブルクリンクではなく富士スピードウェイ、これは間違いない!)で向こうからものすごい勢いでこの鉛色なクラウンが煌々とキセノンを焚いて走ってきたら…とてもかっこいいと思いませんか?1桁国道をゆったりと流すのよりは、間違いなくサーキットが似合うクラウン!ノーマルでこの存在感、なかなかないと思います。

トヨタ クラウン アスリート(H18年式)エクステリア/リア
トヨタ クラウン アスリート(H18年式)エクステリア/サイド
トヨタ クラウン アスリート(H18年式)インテリア/インパネ

トヨタ ハイエース DX(H17年式) 219万8700円

トヨタ ハイエース DX(H17年式) 219万8700円

 今週も入っていますよ!ハイエースの10人乗り、しかも4WDです。スキーのご計画を立てられる方、お急ぎください。デリカのシャモニー以外の選択肢もあるのですよ!乗用車らしいホワイトのボディーカラー。この車は廊下もついての10人乗り、ゆとりが違います。春になったら海も待っています。お屠蘇気分なんかになっている暇はない、暇があったら滑りに行くか、あなたを待っている波があるという方。お友達が多いのであれば、唯一の選択肢かもしれませんね。

トヨタ ハイエース DX(H17年式)エクステリア/リア
トヨタ ハイエース DX(H17年式)インテリア/インパネ
トヨタ ハイエース DX(H17年式)インテリア/シート

トヨタ ランドクルーザー シグナス(H17年式) 508万7250円

トヨタ ランドクルーザー シグナス(H17年式) 508万7250円

 最後のチャンス。100系シグナス超距離薄!入庫中です。前にもご紹介しましたが200はチョット違う気がすると思うのです。100もだいぶ乗用車にはなりましたが、ある程度低いウエストラインひとつとってもやはりオフロードカーなのです。シグナスです。そんなに血眼になってオフロード走行することはないでしょうが、それを割り引いても、少し前の感じですが、トヨタ車らしい存在感があります。やや控えめな、日本車らしい存在感。程度のいいものはどんどん減ってきています。ほとんど新車なシグナスです。

トヨタ ランドクルーザー シグナス(H17年式)エクステリア/リア
トヨタ ランドクルーザー シグナス(H17年式)インテリア/インパネ
トヨタ ランドクルーザー シグナス(H17年式)インテリア/シート

日産 GT-R プレミアムエディション(H20年式) 735万0000円

日産 GT-R プレミアムエディション(H20年式) 735万0000円

 この車の存在意義は、この車自体ではなく、日本の自動車がこれからも「走るんだ」という意気込みを発信したことの象徴としての重みがあるのではないでしょうか。コメントはいらない車なのではないか。有無を言わせない車ではないか。一方で、これが最高の車なのか。この期に及んで車を受け入れる前に四の五のいろいろと考えてしまう。

 実のところ、発表以来、いま一つエモーションを感じないのです。「で?」と思わせる隙を感じます。幾多のお膳立てにもかかわらず、であります。非常に残念なことです、私にとって。でもいいではありませんか。今日も目いっぱい走るのです。そのメッセージとともに、とても速い車がただここにある。たたずんでいる。GTRほどの車を前に、私が辟易としてしまっているだけなのでしょう。

日産 GT-R プレミアムエディション(H20年式)エクステリア/リア
日産 GT-R プレミアムエディション(H20年式)インテリア/インパネ
日産 GT-R プレミアムエディション(H20年式)インテリア/シート
達人プロフィール: CORISM編集部
職業:自動車情報サイト「CORISM」編集部
今ネットで最も注目される(自称)新進気鋭の自動車メディアサイト『CORISM』編集部。07年より日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員にも任命されるなど、着々とメディアとしてのパワーを拡大しつつあるのは確かだ。