従来型フォレスターも走行性能に関しちゃ世界トップクラスのSUVだったが、存在感に欠けていた。デザイン的にもサイズ的にも、ライバルより存在感が薄かったからである。スバル自身、もっと強くアピール出来るクルマにしたい、と考えたのだろう。新型フォレスターはボディサイズを拡大。特に車幅と全高を確保することにより、完全に1クラス大きなクルマに仕立ててきた。弱点だったリアシートの居住性も改善され、使い勝手は大幅に向上している。
2リッターターボ無しエンジン搭載車のライバルは日産エクストレイルとデュアリス。ターボ車のライバルがエクストレイルに加え、三菱アウトランダーとホンダCR−Vとなる。まだ詳細な実力チェックをしていないため絶対的な性能については不明。ただフォレスターは常時4つのタイヤに駆動力を伝える本格的なフルタイム4WDという強力なセールスポイントを持つ。新型フォレスターも同じシステムを踏襲しているため、雪道のヘビーユーザーなら、この1点だけでもフォレスターを選ぶ価値があるんじゃなかろうか。最大にして唯一の弱点は、イマドキ珍しい4速タイプのATだろう。ライバル車を見ると、CVTか5速AT。もちろん動力性能や燃費で負けてなければ決定的なハンデにはならないですけど……。どうしても不安だというなら、しばらく様子を見るのも手。
2リッター230馬力のターボと、148馬力のターボ無しというエンジンラインナップを持つ。フォレスターの売りである「乗用車を凌ぐ動力性能とハンドリング」に魅力を感じるなら迷うことなくターボを選ぶべき。最近のスバル車、ターボエンジンでも燃費良好。10・15モード燃費の13/Lは、日産エクストレイルの2,5リッター車や三菱アウトランダーの2,4リッター車を楽に凌ぐ。時速100巡航であれば、12〜13/Lまで伸びるんじゃなかろうか。コストパフォーマンスを重視する人は、220万5千円でほぼフル装備となるターボ無しがお買い得。エクストレイルと同じくらい大柄なボディを持ちながら、日産デュアリスより30も軽量なのだから驚く。