トールタイプコンパクトの元祖であったデミオは、3代目となる現行モデルでスタイリッシュなパーソナルコンパクトへと変身した。さらに衝突安全ボディの採用で増加傾向にあった車重を先代モデルより一気に100kgも軽量化。その軽量ボディによる走りは、開発者自身が驚くほど軽快だ。まさにコンパクトカー本来の姿へと戻ったのだ。もちろん、ボディは軽くなっているが、重厚感のあるドアの開閉音やしっかりとした走行性能など、ボディ剛性は従来モデル以上を確保されている。また、23km/Lという良好な燃費性能を実現する1.3リッターミラーサイクルエンジンを搭載しているところにも注目したい。
デミオの価格設定は、後発のフィットと比較してもかなり頑張っている。1.5リッターモデルでも他社の1.3リッターモデルとほぼ同レベルの130万円台。しかし、デミオの装備をよく見ると標準装備のアイテムは意外にもベーシック。スマートエントリーやオートエアコン、イモビライザといった装備がオプション扱いなのだ。実際にデミオを購入する際、オプション品を積み上げていくと、結果的にはライバル車とほぼ同じ価格帯になるだろう。また、現行デミオはヨーロッパ市場を意識したため、かなりパーソナル性の高いフォルム。フィットのように居住性を重視したクルマに比べるとデミオの車内は狭く感じる。とはいえ、コンパクトカーらしい取り回しやすさを求めるのならデミオはじつに魅力的。軽量なボディと相まって、まるでヨーロッパのコンパクトカーのようにキビキビと走れる。運転が不慣れなユーザーにも扱いやすいはずだ。
現行デミオの価格設定は、1.3リッターモデルが112.5万〜136万円、1.5リッターモデルでも136万円(スポルトは158万円)と、かなり割安感を感じる。ハッキリ言って1.5リッターモデルは、他社の1.3リッターモデルとほぼ同レベルなのだ。そう考えると、1.5リッターモデルがオトク? と思われるかもしれない。装備的には13Sや13Cと大きく異ならないし、ミッションもミラーサイクルエンジンを搭載する13CーVと1.5リッターモデルのみがCVTを採用する。長距離移動や高速道路の利用頻度が多いなら15Cを候補に入れるのはアリだろう。しかしコンパクトカーらしい価格設定をするのは13Cだ。車両本体価格は120万円。ただし、オーディオが装着されず、エアコンもマニュアルタイプとなる。また、ミッションは4速ATなので、ライバル車に比べると走りのスムース感ではやや劣る。そのあたりが気になるユーザーは、省燃費なミラーサイクルエンジンを搭載する13C-Vがオススメ。フルオートエアコンや1DINタイプCD&チューナーが標準で、ミッションはCVTとなる。