メルセデス・ベンツ　SLR マクラーレンロードスター〜リセールバリューチェック〜

3年後の“リセールバリュー”を考えて、手放すときに価値が高いクルマを選べば、トータルの購入予算はグンと少なくなる。さらに人気のクルマやワンランク上のクルマも選択肢に入れられるってわけ。“リセールバリュー”を把握してトクするカーライフを送ろう。

メルセデス・ベンツ　SLR マクラーレンロードスター

メルセデス・ベンツ　SLR マクラーレンロードスターの魅力とは？

■本文＆コメント／鈴木詳一（ガリバー自動車研究所）

　2007年F1グランプリで惜しくもチャンピオンを逃したマクラーレン・メルセデス。F1の名門チームで、かつては故アイルトン・セナやアラン・プロスト氏・ニキ・ラウダ氏らがチャンピオンを獲得し、常にF1のトップ争いを繰り広げているチームだ。その、マクラーレンがメルセデス・ベンツと組んで発売したのがこのSLRである。

　2004年10月にクーペモデルが発売され、2007年８月にオープンモデルのロードスターが発売された。F1と同じカーボンモノコックボディを採用し、Ｖ８スーパーチャージャー5.5リットルエンジンをフロントミッドに搭載。1,780kgの車体に、626馬力というとんでもない出力を発生するエンジンを組み合わせ、異次元の走りが体験できる。

　このSLRの凄さはここまでの紹介で想像できるだろうが、もちろんその性能に対する安全性はもちろん、快適なドライブも楽しめるように設計されている。ブレーキシステムは、どんな速度域でも確実に大きな車体を止めるセラミックディスクを採用し、戦闘機に搭載されるものと同じ原理のエアブレーキも搭載されている。

　そんなSLRにも唯一“普通”といえるところがある。それは、５速オートマチックのトランスミッションを搭載しているところだ。これは、誰もがその性能を十分引き出せるように造られたもので、626馬力という大パワーがあるからこそ、この手のクルマとしてはワイドに設定されたギアレシオとなっている。速さにあまり影響しないということだろうか。

　車体はイギリスのマクラーレン社で生産されるなど、F1のテクノロジーが随所に活かされている。そのため、高度な専門サービスが必要となり、ダイムラー・クライスラー・ジャパンあるいはマイバッハ／SLR正規代理店のメルセデス・ベンツ品川が商談からアフターサービスまで担当するとのこと。

　1995年に登場したメルセデス・ベンツ300SLRの復活モデルといえるSLRマクラーレンは、性能・価格共にスーパーなクルマといえる。さらにオープンモデルが用意され、スタイリッシュさも増している。普通では買えないが、フェラーリのように一度は乗ってみたいスーパーカーだ。

代表グレード	ロードスター
ボディサイズ	4675x1925x1295mm
エンジン型式	155型
総排気量	5438cc
最高出力	626ps(460kW)/6500rpm
最大トルク	79.5kg-m(780N・m)/3250-5000rpm
定員	2人
発売日	2007年8月2日

\70,000,000

リセールバリュー診断

　SLRマクラーレンのリセールバリューは３年後最大61％のＢランク。先日発売されたばかりの日産GT-RがＡランクであることと比べると低い数値であるといえる。しかし、GT-Rも800万円前後と高価だが、このSLRは7,000万円と都内でも一戸建てが購入できるほどの超高級車。そもそも中古車を購入するユーザーがほとんどいないことから低めのリセールバリューとなってしまう。

　現在はロードスターの生産のために一時生産を中止しているクーペモデルもじき生産が再開されるため、希少性というプレミアも発生しにくい。リセールバリューの点では絶対的に中古車購入がおススメといえる。