コンパクトカーとしての魅力を追求した正常進化モデル
2001年にデビューした初代フィットは、デザイン的なカッコ良さ、センタータンクレイアウトによる圧倒的な広さの室内、i-DSIエンジンによる走りの良さと燃費の良さ、買い得感のある価格設定など、さまざまな魅力を合わせ持つクルマとして大ヒットを遂げた。2002年にはカローラが30年以上にわたって続けてきた登録車の販売ランキングの首位を奪取したのだから、その凄さが分かるだろう。
そのフィットがフルモデルチェンジを受けて2代目モデルに進化した。大ヒットしたクルマのモデルチェンジは難しいと言われるが、今回のフィットのチェンジも相当に難しいものであったことは想像に難くない。
2代目フィットは、いろいろな面で優れていた従来のフィットを、そのいろいろな面のすべてで上回ることを目指してフルモデルチェンジされた。ど真ん中の剛速球という言い方がされている通り、キープコンセプトによる正常進化がなされている。同時に、従来のモデルでネガティブな指摘を受けた部分はすべて解消されている。
ボディサイズが拡大されて存在感がアップした
新型フィットの外観デザインは、ボディサイズはひと回り大きくなったにもかかわらず従来のフィットのイメージを継承したものになった。特に前後から見たときの印象は初代モデルに近いイメージである。横から見たときには、ホイールベースの延長からボディの大きさを感じさせるようになったが、これは居住性の向上を示すものであるのと同時に、凝縮された密度感がやや薄れた印象にもつながっている。
標準車のほかにRSと呼ぶスポーティなモデルが設定されたのが今回のフィットの特徴で、専用のフロントグリルを備えるなど、外観デザインの差別化も図られている。