【ザ・対決】フォルクスワーゲンゴルフヴァリアント vs アルファロメオ 159スポーツワゴン徹底比較試乗

総合評価

フォルクスワーゲンゴルフヴァリアント

アルファロメオ 159スポーツワゴン

松下宏

ドイツ車らしい合理的な設計によるワゴンとしての使い勝手はもちろんのこと、TSI仕様のエンジンによる走りのよさ、DSGのスムーズさなど、いろいろな意味で魅力的なワゴンが300万円を切る価格で手に入るのはうれしい。国産車のステーションワゴンが次々に姿を消すなかで、多くのユーザーの注目車種になるはずだ。

アルファにワゴンがあってもいいとは思うが、アルファの魅力は使い勝手にあるのではなくスポーツ性にある。アルファを買うならワゴンではなく、セダンやクーペなど、ほかのアルファを選んだほうがいいと思う。ステーションワゴンが欲しいならほかのブランドにワゴンとしての高い魅力を備えたモデルがたくさんある。

片岡英明

2グレードとも違うキャラクターが与えられ、どちらのグレードを選んでも満足度は高い。洒落っ気はないが、ワゴンとしての実力は超の付く一級だ。パッケージ、質感、走りの実力ともに高いレベルにある。ロングドライブで疲れないのも魅力のひとつだ。高いトータル性能を身につけ、しかもリーズナブルである。輸入車ビギナーにもおすすめだ。

GM系列のオペルからメカニカルコンポーネンツを譲り受け、アルファらしい軽快感と洒落た味わいに重厚かつ大人の乗り味が加わった。インテリアはデザイン優先のしわ寄せで並みの広さだし、ラゲッジルームも平凡な広さだ。ステアリングに装備したパドルシフトの使い勝手も今一歩にとどまる。が、それを許せるカリスマ性がある。

国沢光宏

搭載されているTSIの1.4リッターエンジンは2.4リッター級のパワーを発生する。しかもミッションも6速DSGだ。クルマの完成度だって、素晴らしく高い。現在、300万円の予算で買える輸入車として考えれば、圧倒的なコストパフォーマンスのよさだと思う。もしも購入を考えているならば、迷うことはない。

クルマとしての仕上がりは歴代のアルファロメオのなかでもっとも高いと思う。反面、趣味性が薄れてしまった。今までのアルファロメオ、クルマ好きにとってみると信頼性の低さを魅力度でぶっ飛ばしていた感じ。好き嫌いがハッキリ分かれるAT(セレスピード)も大きなネック。せめて400万円を切っていれば、と思います。