フォルクスワーゲン ゴルフ ヴァリアント
コンパクトなボディとTSIエンジンの組み合わせ
ホットな走りと省燃費を高い次元で両立
新型になって、先代のゴルフ ワゴンから、本来の本国名になったゴルフ ヴァリアント。ゴルフらしい質実剛健な走りと使い勝手のよさでヒットを飛ばしただけに、新型の実力は大いに気になる。 そもそも実用性の高いゴルフをベースにしてワゴン化しただけに、積載性はかなり高いレベルを確保。ボディサイズからすると、今やコンパクトワゴンに属するといってもいいほどだが、ラゲッジは外観から想像する以上にじつに広大だ。前後シートに関しても十分なスペース&クリアランスが確保され、大人4人+荷物でのロングドライブも楽々こなしてくれるし、リヤシートは分割可等式を採用しているので、荷物に合わせて自在アレンジすることもできる。こういった点は、日本車の使い勝手のよさに慣れた人でも違和感なく使え、また輸入車ビギナーでも満足できるハズ。 そしてこのヴァリアントでは走りも高いレベルを実現しているのはトピックスのひとつだ。すでに他のVW車に採用されて高い評価を得ている1.4リッターと2リッターのTSIを搭載。2リッターはターボのみだが、1.4リッターはご存じのように、スーパーチャージャーとターボの二段過給を行なうというホットユニット。全域に渡るパンチのある加速が楽しめる。しかも直噴などによって緻密な制御を行なうことで、低燃費も実現しているのは、さすがというしかないだろう。さらにどちらもDSGと組み合わせることで、爽快感あふれるキビキビとした走りをアシスト。往年のホットハッチ的な走りすら楽しむことができる。それでいて300万円を切るプライスはもうバーゲンというしかない。
[取材時実測燃費] 10.4km/l
[ゴルフ ヴァリアント価格帯] 296.0〜335.0万円 |
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アルファロメオ 159スポーツワゴン
アルファロメオ伝統のスポーツワゴン
官能的なスタイルと走りに実用性をプラス
伝統的にワゴンモデルの設定にも力を入れているアルファロメオ。最新型の159にもワゴンは用意され、そのグレード名も「スポーツワゴン」と名乗っているあたり、じつにアルファロメオらしい。ベースとなった159同様、デザインはジウジアーロが担当。ワゴンならではの流麗かつ、大胆なラインが特徴だ。インテリアについても、イタリア車らしくレザーを上手に取り入れながら、サルーン的な要素をもうまく取り入れることで、高級車の風格すら漂ってくる。 プラットフォームは協力関係にあるGMと共同開発したもので、先代の156よりもひとまわりほど大きくなっている。それだけに、パッケージングにも好影響を与えているのだが、ことラゲッジに関してはデザインを優先していることもあり、見た目の印象よりは広く感じないというのが正直なところだ。ハッチバック程度だった156と比べて広く、ワゴンらしくはなっているものの、実用性を重視してしまうと期待外れになってしまうかもしれない。GTハッチぐらいに考えておいたほうがいいだろう。 アルファロメオの命であるエンジンは、2タイプでどちらも直噴化され、さらに鋭い吹けと省燃費性を両立することに成功。2.2リッター直4には6MTをベースとする、2ペダルのセミオートマである、お馴染みのセレスピードを組み合わせている。一方、3.2リッターV6には、日本製の6速ATとなり、他のアルファロメオ同様、エンジンの違い=グレードの違いと考えるとわかりやすいだろう。ただしどちらも直噴化が影響してか、官能的な味わいが薄れてきてしまっているのは残念なところ。
[取材時実測燃費] 7.8km/l
[アルファロメオ 159スポーツワゴン価格帯] 460.0〜620.0万円 |