トヨタ 新型 カローラ ルミオン とトヨタ自動車 渡辺社長
新型 カローラ ルミオン 記者発表会の模様 1
新型 カローラ ルミオン 記者発表会の模様 2
新型 カローラ ルミオン 記者発表会の模様 3

ガリバーズEYE

ユーザ視点に立ったガリバー独自の「安全基準」「環境・燃費基準」「経済性」という新たな評価軸を用いてクルマを評価いたします。

ルーミーでユニークだから「ルミオン」

 トヨタは10月9日、「カローラ」シリーズの新モデル「カローラ ルミオン」を発表した。コンセプトは”Relax in Style”。ロングセラーのセダン「カローラ アクシオ」、ワゴン「カローラ フィールダー」に続く、全く新たなハイトワゴンの誕生である。
 ちなみに「ルミオン」とは、ROOMY(ルーミー:広々とした)とUNIQUE(ユニーク:独自の)からの造語で、「広い室内スペースと個性的なスタイルを持ち合わせたクルマ」という意味を表す。

 思えばカローラは、時代のニーズに合わせて様々なバリエーションを展開してきた。
 スポーツクーペ「カローラレビン」、4ドアハードトップ「カローラセレス」、ハッチバック「カローラ FX」に「カローラ ランクス」、ワゴン「カローラ ツーリングワゴン」「カローラ フィールダー」など・・・これに姉妹車「スプリンター」シリーズ(絶版)の各展開などを加えれば、それだけでちょっとした自動車史が語れるほど。
 つまり、時代の空気を機敏に嗅ぎ取って新展開を図るのは、いわばカローラシリーズの伝統。いかにも「イマドキ」風な「カローラ ルミオン」も、その思想をしっかり受け継いで誕生したというワケだ。

トヨタ 新型 カローラ ルミオン エクステリア 2
トヨタ 新型 カローラ ルミオン エクステリア 3
トヨタ 新型 カローラ ルミオン エクステリア 4
トヨタ 新型 カローラ ルミオン エクステリア 1

先代「bB」を思い起こす!?

 しかし「カローラ ルミオン」のエクステリアを見て、同社のハイトワゴン「bB」、しかもシンプルなハコ型の初代bBを思い起こす方も多いのではないだろうか。それもそのはず、このモデルは北米市場では二代目「bB」(現地では「サイオンXB」と呼ばれる)そのものなのだから。

 デザインはあくまでシンプル路線。前・後・サイドともに垂直・水平ラインを際立たせることで、スクエア感を強調する。また、分厚く存在感のある前後バンパーやワイドフェンダーで安定感を与えるいっぽう、対照的にベルトラインは高く設定することで、シンプルな中に個性を主張する。そのいっぽうで、適度な包まれ感をインテリアに与えることにも成功している。

 ボディサイズは4210x1760x1630mm。全長こそ短いものの、車幅は3ナンバーサイズに拡大しているのも、北米マーケットを多分に意識したものと言える。
 なお、そのスタイルをさらに個性的に飾るエアロバージョン”エアロツアラー”が、1.8Sと1.5Gグレードに設定される。

トヨタ 新型 カローラ ルミオン エクステリア 5
薄いスリッドタイプのフロントグリルと分厚いロアグリルのコントラストが印象的だ
トヨタ 新型 カローラ ルミオン エクステリア 6
こちらはシンプルでプレーンな印象の標準ボディ「1.5X」のエクステリア
トヨタ 新型 カローラ ルミオン エクステリア 7
ホイールは標準タイプの15インチと16インチを設定する(写真は16インチアルミホイール)

圧倒的にルーミーでユニークなインテリア

 エクステリア同様、シンプルな中に個性を静かに主張するインテリアも「カローラ ルミオン」の特長だ。
 垂直気味に立ったサイドウィンドウや高いルーフにより、室内は圧倒的な広さを持つ。いっぽうでベルトラインを高めに設定されることで適度に包まれ感も持たせた、個性的な空間設計となっている。
 インパネは水平基調の中に丸型のモチーフを多用したもの。中でも4連に重なったメーターパネルは、カローラ ルミオンの個性を主張する。

 ホイールベースはカローラシリーズ共通の2600mmだが、室内長1980mm、室内高1295mm、室内幅1495mmの圧倒的な寸法を確保し、ルーミーな頭上高・室内空間を実現。さらにフラットフロア(FF車)にすることで、すっきりした後席足元とした。
 シートデザインは直線的な面を強調したもの。リアシートは6:4分割可倒式。さらに、左右独立してリクライニングや前倒し、シートクッションチップアップなど多彩なアレンジを楽しめる。
 定員5人分のヘッドレストが装着されている点は地味ながら評価したいところだが、残念ながらシートベルトは後席中央席のみ2点式となってしまう。全席に3点式シートベルトが装着出来るようにして欲しいものだ。

 ラゲッジスペースは、5名乗車時で310リッター。さらにデッキアンダートレイにも9リッターの容量を有する。さらに、後席を全て前倒し(2名乗車時)した場合には、荷室長1645mm、高さ865mmもの広大な空間が広がる。

トヨタ 新型 カローラ ルミオン インテリア 1
丸モチーフが印象的なインパネは、水平基調の中に機能別の積層構造を重ねることで個性を表す
トヨタ 新型 カローラ ルミオン インテリア 2
高い室内高や広い室内幅により、広々した室内空間を実現するカローラ ルミオンのインテリア
トヨタ 新型 カローラ ルミオン インテリア 3
リアシートは6:4分割可倒式で、さらにシートクッションにはチップアップ機構も付く

1.8リッターと1.5リッターの2機種を設定 全車グリーン税制に適合

 エンジンは2機種を用意。全車で「平成17年基準排出ガス75%低減レベル」を取得。全車グリーン税制に適合する。
 1.8リッター「2ZR-FE」Dual VVT-I(吸・排気連続可変バルブタイミング機構)エンジンは、最高出力136ps(100kW)/6000rpm、最大トルク17.8kg-m(175N・m)/4400rpmを発生。幅広い回転域で最大トルクの90%を発生させる特性で、加速性能にも優れる。10.15モード燃費は15.4km/Lを達成(FF車)する。
 いっぽう1.5リッター「1NZ-FE」VVT-Iエンジンは110ps(81kW)/6000rpm、最大トルク14.3kg-m(140N・m)/4400rpmを発生させ、低・中速域での力強さを特長とする。10.15モード燃費は16.2km/Lをマークし、「平成22年度燃費基準+20%」を達成する。

 トランスミッションは、全車にSUPER CVT-i(自動無段変速機)と組み合わされる。なお1.8リッター車には、マニュアルモード付きの7速シーケンシャルシフトマチックを採用するほか、1.8S ”エアロツアラー”にはパドルシフトを装備し、ステアリングを握ったままのシフト操作も可能とする。

 サスペンションはフロント:マクファーソンストラット式、リア:トーションビーム式(4WD車はサブフレーム付きダブルウイッシュボーン式)を採用。ブレーキは全車に4輪ディスクブレーキを採用する。
 なお、急カーブや悪天候時などにおける車両の横滑りを防ぐ車両安定性制御装置「VSC」は、残念ながら1.8リッター車にのみオプション設定。ぜひ、全車に設定、もしくは標準装備化して欲しいところだ。

トヨタ 新型 カローラ ルミオン エンジン 1
1.8リッター「2ZR-FE」Dual VVT-Iエンジン。幅広い回転域で最大トルクの90%を発生させる特性で、加速性能にも優れるという。
トヨタ 新型 カローラ ルミオン エンジン 2
1.5リッター「1NZ-FE」VVT-Iエンジン。低・中速域での力強さを特長とする。10.15モード燃費は16.2km/Lの低燃費をマーク。
トヨタ 新型 カローラ ルミオン インテリア 1
メーター内にはドライブモニターを設定。写真左上から時計回りに「デジタル時計」「外気温」「航続可能距離」「平均燃費」などを表示。他に「エコドライブインジゲーター」も設置される。

リラックス空間を演出する装備の数々

 「カローラ ルミオン」のコンセプト”Relax in Style”を演出するように、様々な快適装備を採用する。
 天井には、青色LEDを採用したドームランプ付きイルミネーションランプを設定。夜間に青色の柔らかい光が室内を包む。
 音響面では、9スピーカーシステムのCD・AM/FM付きオーディオを装備。中でもリアピラーにはアンプ内蔵のバスレフ方式16cmサブウーハーを採用するなど、臨場感溢れるサウンド空間とした。また、インパネ助手席側にはAUX端子を設定し、i-Podなどの携帯型オーディオプレーヤーの接続を可能とする。
 40GB HDDナビゲーションシステムはG-BOOK mX対応。音声ガイダンス機能付カラーバックガイドモニターとセットでオプション設定される。

 価格は「1.5X」168.0万円、「1.5G」178.0万円、「1.5G エアロツアラー」191.0万円、「1.8S」195.0万円、「1.8S エアロツアラー」210.0万円。
 4WDモデルは1.8リッター車のみに21万円高で設定される。月販目標台数は3500台とする。

トヨタ 新型 カローラ ルミオン 装備 1
青色の柔らかい光が室内を照らす「カローラ ルミオン」の天井イルミネーション
トヨタ 新型 カローラ ルミオン 装備 2
ドームランプと青色LEDのイルミネーションランプは一体化されている
トヨタ 新型 カローラ ルミオン 装備 3
電動式ムーンルーフをオプション設定すると、天井イルミネーションは非装着となる
トヨタ 新型 カローラ ルミオン 装備 4
i-Podなどの携帯型オーディオプレーヤーの接続を可能とするAUX端子が装着される
トヨタ 新型 カローラ ルミオン 装備 5
クオーターパネルの内側(右側)にはルーフサイドネットポケットが付く
トヨタ 新型 カローラ ルミオン 装備 6
立ち気味のサイドウィンドウや高い天井などで、非常にルーミーなカローラ ルミオンの室内パッケージング
トヨタ 新型 カローラ ルミオン エクステリア 8
新型 カローラ ルミオン 記者発表会の模様 4

( 写真:トヨタ自動車・CORISM編集部/レポート:CORISM編集部 )

代表グレード
1.8S "AERO TOURER(エアロツアラー)"
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4215x1760x1630mm
車両重量[kg]
1320kg
総排気量[cc]
1797cc
最高出力[ps(kw)/rpm]
136ps(100kW)/6000rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
17.8kg-m(175N・m)/4400rpm
ミッション
Super CVT-i(自動無段変速機)
10・15モード燃焼[km/l]
15.4km/L
定員[人]
5人
税込価格[万円]
210.0万円
発売日
2007年10月9日
レポート
CORISM編集部 徳田 透
写真
トヨタ自動車・CORISM編集部