マツダ デミオ 走り
マツダ デミオ エンジン

エンジンは新開発の1.3Lミラーサイクルに加え、通常の1.3Lと1.5Lの3種類をラインアップする。

マツダ デミオ ホイール

マツダ デミオ ホイール

ホイールはグレードにより14インチのスチール&アルミ、そして15インチと16インチのアルミホイールが用意されている。

マツダ デミオ 走り

マツダ デミオ 走り

マツダ デミオ 走り

マツダ デミオ 走り

スタイル インテリア 走り&メカニズム

スポーティさと快適性を両立させた!

 新しいデミオは走りも大きく変わった。これまでのモデルではマツダ車らしく、スポーティでキビキビした走りがデミオの特徴だった。マツダは世界で最も多くのスポーツカーを生産しているメーカーであり、ラインナップするクルマは全体にスポーティな走りを志向したものが多かった。
 それが今回のモデルでは大きく変わったのだ。変わったポイントは乗り心地、操舵フィール、静粛性など、多岐にわたる。まず乗り心地だが、これがとても良い。路面の継ぎ目を超えるときなど、ゴツゴツ感のない角の取れた感じの乗り味を感じさせる。単純に柔らかいのとは違う心地好い乗り味だ。
 ステアリングの操舵フィールも同様。マツダ車の操舵フィールはきびきびしたスポーツカー的なものというのが一般的だったが、今回のデミオの電動パワーステアリングの味付けは、これまでに比べて穏やかなものになった。ダルなステアリングというのではなく、切り込めばそれなりにレスポンスがあるのだが、操舵に関して過敏に反応するところのない好ましいステアリングフィールだった。
 静粛性のレベルも満足できるもので、強いていえばロードノイズの侵入があるが、エンジン音は良く抑えられているし、CVTの機械音なども入ってこない。

新開発のミラーサイクルは優れた燃費を実現する

 搭載エンジンは従来と同じ1.3Lと1.5Lに加え、新たにミラーサイクルの1.3Lが加わった。吸気バルブの遅閉じという形でバルブの開閉タイミングに変化を与え、圧縮比と膨張比の異なるエンジンとすることで、より燃費の良い走りを可能とするものだ。
 マツダではかつてユーノス800(後にミレーニア)にスーパーチャージャー付きのミラーサイクルエンジンを搭載したことがあるが、今回のデミオに搭載されたのは自然吸気のミラーサイクルエンジンで、CVTとの組み合わせによって23km/Lという低燃費を実現している。それでもフィットやヴィッツにやや及ばないのは残念なところだが、実用燃費では互角以上というのがマツダの技術者の説明。すんなり受け取るとしても、もうひと頑張りが欲しいところだ。
 このエンジンを搭載した13C-Vの走りは、これといった不満を感じるところがない。動力性能は標準の1.3Lエンジンに比べてわずかに劣るのだが、それがほとんどデメリットになっていない。渋滞中などの微低速の走りのときにもギクシャク感を感じさせることがないし、タコメーターとスピードメーターの違和感もあまり感じさせない。これで優れた実用燃費が手に入るなら文句はない。
 このほか、1.3Lエンジンと4速AT、1.5LエンジンとCVTの組み合わせにも試乗したが、それぞれコンパクトカーとして満足のいくレベルの走り。前述したように、全体に乗り心地や操舵フィール、静粛性などのレベルが高いので、いずれも満足して乗れるはずだ。

●お勧めグレード

 標準エンジンを搭載した13Cが120万円であるのに対し、ミラーサイクルエンジンを搭載した13C-Vは131万円。11万円の価格差があるが、これは搭載エンジンの違いのほかに4速ATがCVTになり、マニュアルエアコンがフルオートエアコンになるなどの違いもある。実質的なエンジン分の価格差は数万円だ。
 それでいてリッター当たり2km/Lの燃費の違いがあるから、年に1万2000km走る平均的なユーザーだと7000円ほどの燃料代の違いになる。7年では無理だが、もう少し乗り続ければ元が取れる価格差だし、距離を走るユーザーならもっと早く価格差を取り戻せる。なので、新型デミオで取り敢えずイチ推しにするのは13C-Vだ。
 装着するオプションは、ドライビングコンフォートパッケージングとアドバンスドキーレスエントリー&スタートシステム、SRSサイド&カーテンエアバッグが必須。ここまでで14万円弱のプラスとなる。

代表グレード
13C-V
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
3885×1695×1475mm
車両重量[kg]
990kg
総排気量[cc]
1348cc
最高出力[ps(kw)/rpm]
90ps(66kw)/6000rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
12.2kg-m(120N・m)/4000rpm
ミッション
CVT
10・15モード燃焼[km/l]
23.0km/l
定員[人]
5人
税込価格[万円]
131.0万円
発売日
2007/7/5
レポート
松下宏
写真
和田清志
スタイル インテリア 走り&メカニズム