しなやかさとしっかり感を両立させた
走りは、すべてのミニにおいて大きな魅力となってきた。それはBMWになってからも変わらず、先代では懐の深いしなやかなサスペンションによって、FR的な抜群のハンドリングのよさを披露することも。パワフルながら扱いやすいエンジンなど、トピックスは多かった。それは新型でもしっかりと受け継がれ、ドライバーの意思にダイレクトに直結した走りを堪能することができるのはやはりミニならではだ。絶対スピードという点では低くても、走りを楽しめるというのは今や貴重な存在だろう。
先代同様、しなやかさとしっかり感を高いレベルで両立しているのはさすが。挙動変化は大きめだけど、積極的なコントロールすればよく曲がる。懐が深すぎて乗り手に対してテクニックを要求するような面もあるにはあるが、これも乗りこなす楽しみのひとつだ。上級グレードであるクーパーSにはスポーツサスペンションはスタビリティは高く、ゴツゴツ感も一切ないのはさすが。足回りは先代同様、レベルが高い。
新開発エンジンは楽しさと環境を両立!
そして大きなトピックスがエンジンだ。先代のエンジンはメルセデスとの合併前のクライスラーと共同開発されたもので、性能的には問題なかったものの、少々古かったのも事実。それがBMW自製となる新開発ユニットへと進化。排気量はすべて1.6リッターで、クーパーはNA、クーパーSにはターボとなり、どちらもスポーティな味付けは全面に押し出している。
120馬力を発生するNAについてはBMW自慢のバルブトロニックを応用した可変バルブシステムを採用。アクセルに対してダイレクトな吹けが楽しめ、実用性も高い。そして大いに気になるのが先代から5馬力アップの175馬力を発生するターボだ。小型のツインスクロールターボに変更されているので、低回転のターボラグは皆無。低回転からもキッチリとパワーが出るつつ、高回転までダイレクトに吹ける。とにかく理屈抜き、文句なく乗って楽しい。
特にクイックなギア比の電動パワーステアリングが装備される180G系の乗り味が好感の持てるもの。シャープな切れ味を感じさせる走りのフィールだ。試乗車はSパッケージで205/55R16タイヤを装着していたので、一段とスポーティな雰囲気があった。
純粋に走りを楽しむならMT仕様がオススメ!
またミッションについては、すべて6速で全グレードにATとMTが用意されている。ATでも不満はないが、積極的に操って楽しむという点ではやはりMTだろう。クロスミッション的なギア比なので、シフトをマメに行なう必要があるが、それがまた楽しい。キビキビとした走りを存分に堪能することができる。
新型ミニはスタイルよりも走りで買い、というのが最終的な結論。今や貴重なホットハッチ的な熱い走りを堪能できるのは貴重な存在だ。