見た目のイメージを踏襲しつつ、中身は大幅に進化した
横置きFF2ボックスカーという、当時としては斬新なコンセプトを世界に先駆けて確立したミニ。実用車としてだけではなく、ときにはスポーティな走りをも披露してくれる懐の深いキャラクターが持っている。今やBMWによって作り続けられているが、そのコンセプトはまったく変わらないというのはご存じの通りだ。BMWになってからのミニ。つまり先代ミニが発表されたのが、2002年3月2日(ミニの日!)のこと。それから5年、ついに新型へとスイッチした。
どこから見てもミニという、強い個性を持つクルマだけにその変身ぶりが気になるところだが、実車を目にしてみると「先代とほとんど変わらない」と思う人がほとんどなのではないだろう。それではほとんど手を加えていないのかというとじつはまったく違い、99%ものパート(手を加えていないのはルーフぐらい)が新設計となっているというから、BMWの並々ならぬ意気込みが伝わってくる。実際にボディサイズは大きくなっているし、エンジンなどもブランニューだ。
ブランドイメージを大切にした正常進化
この見た目は変わらず、でも中身は大きく進化しているというのはBMWの意図するところであり、BMW本社内でも開発段階からすでに「大きく変える必要もなかったし、変えようという意見も出なかった」という。すでにミニという小型車ながらプレミアムなブランドができあがっているだけに、ブランド感を大切にしたいというのが背景にあるようだ。つまりポルシェ911的な進化を狙っているといっていい。こうすることで新型が出た途端に先代が古くさく見えるということもなく、従来からのユーザーに対しても高い安心感と信頼性を提供するを狙っているのだろう。プレミアム性を今後も持続できれば、それは可能なのは確か。ただし、価格も安い小型車で見た目の進化を大きくアピールせず、プレミアム性を持続できるのかについては、今後どう展開するかかっている気はする。ここが肝心の問題だ。