スーパーGT開幕戦 GT500表彰台

V型8気筒自然吸気エンジン搭載の新型フェアレディ Zで表彰台へ

 2007年スーパーGTの第1戦決勝レースが、3月18日(日)、三重県の鈴鹿サーキットで行われた。予選7位の「XANAVI NISMO Z」(#23本山哲/リチャード・ライアン組)が2位でレースをフィニッシュ。さらに、「MOTUL AUTECH Z」(#22ミハエル・クルム/松田次生組)は予選9位からレースをスタートし、5位入賞となった。

#23 XANAVI NISMO Z

 晴天にもかかわらず気温9度という寒さの中、鈴鹿サーキットには約30,000人の観客が集まったという。52周300kmの決勝レースには41台のGTレースカーが出場し、午後2時に一斉スタート。#23 Zは、ニスモのエース本山がスタートドライバーを務め、オープニングラップでひとつ順位を上げると、後続のレクサスSC430との激しい攻防を展開しながらレース前半を周回し、21周目にピットインしライアンに交代。30周目には5位となり、上位車のスピンアウトにより31周目には4位へと浮上。さらに、終盤ではNSXが火災を起こしてストップし、最終周ではそれまで首位を快走していた別のNSXが突然スローダウンしたため、#23は総合2位でレースを終えたとのこと。

#22 MOTUL AUTECH Z

 #22 Zは、クルムがレースをスタートし、その直後の第1コーナーで後続車から押し出されコースを外れてしまったが、14位から挽回を開始。その後12位に順位を上げ、24週目にピットインして松田へドライバーチェンジ。31周目には8位まで順位を上げると、上位車を捉えるべく強力にプッシュを行い、他車の脱落などにより6位まで浮上し、結果、最終周には5位となりチェッカーフラッグを受けたとのこと。

左:本山選手/右:ライアン選手

 #23 Zの本山選手は、「今年から新しいエンジンに換えたことで、ようやく本来あるべき速さが備わって来た。ニューカーでの開幕戦で表彰台に上がれたことは、とても嬉しい。寒い中応援していただいたファンの皆さんに感謝します」とコメント。チームメイトのライアン選手は、「とても難しいレースだったが、2位で終われたことは大変素晴らしい。ニスモがとても良いチームであることは疑いないし、僕も今年はそれに応えて頑張りたい」とコメントしたという。

左:松田選手/右:クルム選手

 一方、#22 Zの松田選手は、「スタートの波乱で大きく後退したけど、最終的には5位入賞に僕も貢献できて嬉しいです。後半は前のクルマをキャッチしようとして、タイヤを使いすぎてしまい、終盤に後ろのクルマに追い立てられてしまいました。でも今年のクルマはいざと言う時に抜かれない実力がついて来たと思います」とコメント。隣ではクルム選手が、「押し出されたときは運がないと思ったけど、5位入賞は本当にハッピー。コースアウトから5位なんて信じられないよ」と笑顔を見せたとのこと。

 そのほか、2006年仕様の「YellowHat YMS モバHO! TOMICA Z」(#3 セバスチャン・フィリップ/柳田真孝組)は10位完走、「カルソニック インパルZ」(#12 ブノワ・トレルイエ/星野一樹組)は同11位、オープニングラップの混乱に巻き込まれた「WOODONE ADVAN Clarion Z」(#24 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/荒聖治)は第1コーナーのグラベルベッドから抜け出してレースに戻ったが、7周目にスロー走行となりコース上で停止したとのこと。

「YellowHat YMS モバHO! TOMICA Z」(#3 セバスチャン・フィリップ/柳田真孝組)
「YellowHat YMS モバHO! TOMICA Z」(#3 セバスチャン・フィリップ/柳田真孝組)
 
「カルソニック インパルZ」(#12 ブノワ・トレルイエ/星野一樹組)
「カルソニック インパルZ」(#12 ブノワ・トレルイエ/星野一樹組)
「WOODONE ADVAN Clarion Z」(#24 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/荒聖治)
「WOODONE ADVAN Clarion Z」(#24 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/荒聖治)
 

飯嶋嘉隆ニスモ監督のコメント

 「結果には満足しています。大成功でしょう。エキサイティングなレースをお見せすると皆さんに約束したので、公約が果たせてホッとしています。苦しいレースになると思うがチャレンジングにやろうとドライバー達に伝え、チームにも確実な作業を心がけてほしいと話していたので、その両方とも果たしてくれて感謝しています。ドライバー達は本当に力強く順位を上げてくれたし、守るべき局面ではうまく抑えてくれました。ニューカーの方向性が間違っていないことが証明されましたが、今後はさらに速さと信頼性を磨いて行きます。今後もファンの皆様のご声援を楽しみにしています。ありがとうございました」
 

( 日産/ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル発表--SUPER GT開幕戦レースレポート--より )