ドライバー経験なしでいきなり海外ラリー?
ラリー参戦を決意した番頭宮本君と弟子の新美ながら、二人ともグラベル(砂利道)走った経験無し。というか驚くべきことに、サーキット走行のようなスポーツ走行さえしたことありません。
本人に聞くと「速く走れる自信は少しだけあります!」。ちなみにアキの場合、何度もサーキット走行を経験しており、仲間ウチから「速い」と評価されていた。
格闘技に例えると、アキは競技の経験こそないが道場で「強い!」と言われていたイメージ。宮本君と新美は格闘技を見てたら「自分でもやれそうじゃん?」です。
強いて言えば新美がコ・ドラ経験者。番頭宮本君についちゃ私のナビシートで何回かグラベルの全開走行を体験している程度。セオリーからすれば「ふざけんな!」であります。日本のラリー界なら、「とりあえず初級ラリーから始めなさい!」となるだろう。
なのにイキナリ全日本ラリー選手権より長くて速いSSのある国際レベルの競技に出ようとしているのだ。というか日本だと、初心者は国際レベルの内容を持つラリーへのエントリーを受け付けて貰えない。
ワタシはグラベル2戦目で空を飛んでいましたが
どうしてそんな気になったのか? 聞いてみたら、タイでお世話になった小沢さんから『悪魔の囁き』のようなオファーを受けたのだという。
何でもGDB(現行インプレッサの丸目モデル)とGC8(先代インプレッサの最終モデル)の中古ラリー車が超魅力的な価格で買え、しかも万全のチーム体制を組んでくれるそうな。予算も聞いてびつくりの安さ!
予算についちゃ近々紹介するけれど、タイ選手権1戦あたり飛行機代なども含め80万円程度とのこと。しかも参加するスタッフは小沢さんだけじゃあない。日本のラリー関係者なら誰でも知っている有名人が何人もいます。となれば迷わず出るべきでしょう!
新美は「クラッシュするだろうから」と、スペアパーツ豊富にあるGC8で。番頭宮本君がGDBということになった。これまた普通ならパワーの無いFFのターボ無しあたりで始めるトコロながら、前述のオジサン達が「いいからいいから!」で、決まり!
向かって右側が新美、アキは今年どうする?
今年初戦は群馬!
そんなこんなで、ホントに二人ともタイのラリー選手権に出場すべく動き出してしまいました。となれば練習もしなくちゃなるまい。ちょうど群馬県でウインターラリーを開催するという連絡を主催者の高桑さん(初代の高山短期大学チームのドライバー)から頂く。
当然の如く今回立ち上げたプロジェクトの人達とも顔見知りだからして、即座に「出よう出よう!」。しかし! 新美のライセンスってタイ国発行の国際C級。日本の国内競技は出場できない(国際格式なら出場可能)。
相談の結果、全競技車両の最後に走る『コースカー』としてエントリーすることになった。参考までに書いておくと、ラリー開始前のコースチェックのために走る『00カー』のドライバー、私がラリーに出た時のマネージャーだったダニーさんである。
最後のビックリは新美のコ・ドラ。探したけれど見つからず。そしたら弟子永田が「じゃ私がやっていいですか?」だって。おいおい! 大丈夫か? かくして新美のラリーデビューとなった!