最後は楽しみながら走り、タイムも付いてきた!
最後のサービスでラリーカーは万全のコンディションになった。「今シーズン最後のSSだから楽しんでこい!」とアキを送り出す。楽しくなくちゃ苦労してラリーやってる意味無いですから。
面白いことに楽しいとタイムも付いてくる。さすが上位争いにゃ絡めないものの、SS14〜SS16までニュージーランドじゃ有名なラリーストであるマーク・タッパー選手のインテグラ(グループA。軽いボディに200馬力エンジンを搭載する)の次のタイムを出せた。
ちなみにトップはマレーシアの英雄サラディン選手(インプレッサ)。続いてタイ選手権チャンピオンのウィッタヤ選手(ランエボ)、ファンファン選手(ランエボ)、グリーン選手(ランエボ)、タッパー選手といった具合。
優勝したサラディン選手のフィニッシュシーン
アキのタイム見ると、グリーンさんのランエボから1kmあたり1秒の遅れというイメージ(ラサディン選手までなら2秒)。大きなコースアウトをしたことを考えれば、まぁまぁ健闘していると評価していい。
なんせ市販車+ロールケージや4点式シートベルトなどに150万円程度掛け、規定に合わせた変更をしたのみのラリーカーで(ブレーキもパッドをラリー用に交換しただけ)、運転手もシーズン始まるまでラリーはもちろん、グラベルを走ったことさえ無かった。
それがアジパシの常連グリーンさんに対し1kmあたり1秒の差で走れるようになったのだ。モータースポーツに「れば」「たら」など無いけれど、クラッシュせず全てのラリーでもう少しずつ走れていれば、もっと面白い結果になったろう。
かくして波乱の最終戦も無事完走! サービスは大変だったけれど、ゴールすると疲れもすっ飛ぶ! 完走13台中の9位。嬉しいことにタイ選手権シリーズでウィッタヤ選手に続く2位を確定! キッチリとシリーズ2位のトロフィーなんぞ頂く。
夜の宴にて新たな挑戦者が登場!
アキも新美も夜の表彰パーティではオフィシャルや他のチームの人達から記念撮影をせがまれてました。特にアキの顔はタイ人のツボにハマるらしく、女の子にモテる。海外でラリーをやるの、やっぱり楽しいと思う。
表彰パーティ終わり、引き続きチームの2次会。完走したラリーはお酒も一段とウマい! その席で新美が来て「師匠! ジツは来年ラリーをやりたいんです」。「んん? アキは来年も出場するって?」。
「いいえ。ボクがドライバーをやりたいんです」
ホントかよ! 詳細聞くと、何とか参戦に必要な金額を準備出来そうだという。コ・ドラをやっていて自分で運転したくなったのだとか。「よし前向きに考えよう」と答えると、続いて番頭宮本君が……。
「師匠。人生最後のチャンスなのでラリーに出ようと思います」
ホントかよ! これまた私のラリーを見た時から考えていたらしい。今回のラリーで決心したのだとか。どうやら凄いことになってきました。