ダイハツ ミラ 走り
ダイハツ ミラ カスタム ターボエンジン

ターボモデルの最高峰エンジンはCVTと組み合わせられ思いのままの走りが可能。しかも燃費は23.0km/lと十分過ぎるものだ。

ダイハツ ミラ NAエンジン

廉価グレードでも共通のNAエンジンが搭載される。違いには組み合わせられるトランスミッションがCVT、4AT、5MTい分かれるのみだ。いずれも性能、燃費面で申し分ないが、特にCVT搭載モデルの圧倒的なトータルバランスに恐れ入る。

ダイハツ ミラ カスタム 走り

ダイハツ ミラ カスタム 走り

ダイハツ ミラ 走り

ダイハツ ミラ 走り

スタイル インテリア 走り&メカニズム

3種類のパワーユニット、まずはアイドルストップから

 ミラにはいろいろな仕様が用意されているが、ベーシックな4速ATを設定したX、アイドルストップ機構を備えたXリミテッドのスマートドライブパッケージ、さらにターボ仕様のエンジンを搭載したカスタム系のRSの3台に試乗した。

 まずアイドルストップ機構付きのモデルだが、これが良くできていて違和感なく乗ることができる。一定の踏力でブレーキペダルを踏んで停止するとアイドルストップ機構が働き、ブレーキペダルから足を話した瞬間に軽い振動とともにエンジンが始動する。

 ハイブリッドカーのプリウスに比べたら始動時の振動は大きめだが、それほど気にならないレベルなので運転していて違和感は少ない。10年以上も前にいくつかのメーカーがアイドルストップ機能の付いたクルマを発売したことがあったが、当時の機構では違和感ばかりが大きかったが、今回のミラは全体に自然に乗ることができる。

標準モデルでも十分な性能

 ベースグレードのXの4速AT車は、価格的な優位もあって最も良く売れるクルマになりそうなモデル。CVTの滑らかな変速に比べるとATのショックがあるものの、ATとしては良くできていて満足度は高い。自然吸気で43kW(58ps)という十分な性能を発揮するエンジンによるところが大きい。

 ただ、足回りはいかにも柔らかすぎる印象。カスタム系のモデルがしっかりした乗り味を実現していたのに比べると、ステアリングの中央付近の落ち着きが足りないほか、ハンドルを切ったときに視界が大きく傾くような感じになるのはいただけない。

これ以上望むべくもないターボモデル

 ターボエンジンを搭載したRSは、ターボのトルクによって中低速域から力強い走りが可能で、動力性能的には十分すぎるくらいの実力。しかも前輪にスタビライザーを備えるなど、乗り心地もしっかりしているし、ステアリングもややクイックなギア比によってダイレクト感のあるステアフィールを実現している。RSに乗ると、本当に軽自動車で十分という気持ちにさせられる。

●お勧めグレード

 量販グレードになりそうなのは標準系のXだが、注意しないといけないのはX(とL)ではABSがオプション設定になっていること。このようなグレードは買わないのが一番だが、もしも買うならABSのオプション装着を忘れないようにしたい。

 お勧めしたいのは自然吸気エンジンとCVTを組み合わせた仕様で、燃費性能の面でもこれが優れている。アイドルストップ機構の付いたスマートドライブパッケージならさらに燃費が良くなるものの、8万4000円の価格差は、補助金で半分になるとはいえ燃費で取り戻すのは相当に距離を走るユーザーでないと無理。軽自動車で距離を走る人は少ないから、今はまだ現実的な仕様とはいえない。標準のXリミテッドがイチ推しだ。

 ターボ仕様のRSは、予算に余裕があるなら選択したいグレードだ。しっかりした足回りによる落ち着いた感じの乗り味が特にお勧めできる要素。ムーヴに比べてミラは重量が軽くて空気抵抗が少ないなどのメリットがあり、頭上に余分な空間が欲しいという人でなければRSが絶対のお勧め車になる。

代表グレード
660 X リミテッド
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
3395×1475×1530mm
車両重量[kg]
770kg
総排気量[cc]
658cc
最高出力[ps(kw)/rpm]
58ps(43kw)/7200rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
6.6kg・m(65N・m)/4000rpm
ミッション
CVT
10・15モード燃焼[km/l]
25.5km/l
定員[人]
4人
税込価格[万円]
105.0万円
発売日
2006/12/18
レポート
松下 宏
写真
佐藤 靖彦
スタイル インテリア 走り&メカニズム