猛攻勢の末のダイハツ最終戦略車 "ミラ"
ミラはダイハツの主力車種のひとつ。今でこそムーヴのほうが多く売れているが、20年前から長期にわたってダイハツの量販モデルとして売られてきたクルマだ。
そして06年12月にフルモデルチェンジを受けた現行のミラは、05年12月にエッセを投入して以来、ダイハツが軽自動車でかけてきた大攻勢の集大成ともなるクルマである。
エッセではアルミブロックのロングストローク型の新エンジンを搭載し、ソニカではこのエンジンにターボを装着した上でCVTと組み合わせ、さらにムーヴでは自然吸気エンジンとCVTの組み合わせを採用してきた。このように積み重ねてくると、ミラでは何もやることがないかのようだが、そうではなかった。
"ミラ" にしかない特徴を詰め込んだモデルチェンジ
ムーヴに比べて全高が低くて重量の軽いボディを生かし、自然吸気エンジンとCVTの組み合わせで25.5km/Lの低燃費を実現した上、これにアイドルストップ機構を組み合わせることによって27km/Lという超低燃費を実現してきたからだ。これまで軽自動車のほとんどが、フィットの24km/Lという燃費を破れないでいたが、ミラでは標準仕様でこれを上回り、アイドルストップ付きの仕様ではガソリン車として最高の燃費性能を実現した。
ほかにもムーヴと同じ新開発のプラットホームによって長いホイールベースと、それによる広い室内空間を確保するなど、いろいろな意味で魅力的なクルマに仕上げられている。
存在感抜群のスタイリングは圧巻!
ミラの外観デザインは実に存在感のあるものに仕上げられた。ボリューム感のある塊を表現した外観は、ボディサイドに明確なキャラクターラインを通すことで、軽自動車にありがちな安っぽさを感じさせないものとなった。
従来のミラに設定されていた上級車感覚のアヴィに代わり、今回のモデルでは外観上の差別化を明確にしたミラカスタムが設定された。カスタムはすでにムーヴやタントなど、ダイハツのほかの車種に設定されているシリーズ名で、スポーティでプレミアムな感覚を備えた外観や、上質な内装の仕様を持つシリーズとして位置付けられている。今回のモデルではミラにもカスタム系のモデルが設定された。