独創的で、日本的な要素を盛り込んだコンセプトカーを出し続けているマツダは、今回のデトロイト・ショーでは流雅(りゅうが)というデザインコンセプトを出展した。
昨年11月に開催されたロスンゼルス・ショーで披露したマツダ流(ながれ)を、さらに進化させ、流れ(=フロー)をデザインテーマに掲げたモデルだ。それぞれリヤエンドまで伸ばされた左右ドアは、鳥が羽根を広げたように開く電動ポップアップ式で、特にそのドア部分に描かれた15本ものラインなど、空気の流れをデザイン要素として採り入れているのが実に特徴的である。これは、水を使わず石や岩を用いて水があるように造り込んだ日本独特の庭園、枯山水(かれさんすい)をイメージしたものであり、自然のなかに息づく流れを表現しているという。またインテリアも巧みに流れを意識したラインで構成され、21インチのホイールは、力強さだけでなく、流れを感じさせるスポーク部の造形になっているのだ。流雅はその名のとおり、流れをつくりながら、日本的な雅をクルマのデザインに取り込んだ作品といえよう。
ちなみに流雅のボディサイズは全長×全幅×全高=4280×1900×1260mm。フロントセクションはR8、リヤセクションはロードスターのプラットフォームを採用し、繋ぎ合わせているそうで、85%のエタノールと15%のガソリンを混合させたE85燃料の2.5Lエンジン+6速ATを搭載している。