アウディ TTクーペ
アウディ TTクーペ 2リッターターボエンジン

最高出力200馬力、28.5kgの最大トルクを誇る2リッターFSIターボエンジンは、高いレスポンス性能による気持ちいい走り味が特徴。また燃費性能も特筆モノだ!

アウディ TTクーペ 3.2リッターエンジン

フラッグシップの3.2リッターはクワトロ(4WD)と組み合わせられ、アウディらしい重厚な走りを実現する。250馬力の最高出力も迫力満点。6気筒らしいスムーズな回転フィーリングも魅力だろう。

アウディ TTクーペ 電動リヤスポイラー

アウディ TTクーペ 電動リヤスポイラー アップ

リアエンドの輪郭に溶け込んだ理やスポイラーは停止中は単なるリップ部のように見え、めだつことはない。しかし車速が120km/hに達すると、スポイラーは電動モーターにより4リンクの駆動装置を介して曲線を描いて立ち上がり、リアホイールにダウンフォースを発生させる。そして80km/hに減速すると自動収納される。また20〜120km/hの間でドライバーがスイッチを使用してマニュアル操作することも可能。

アウディ TTクーペ 走り

アウディ TTクーペ 走り

アウディ TTクーペ 走り

スタイル インテリア 走り&メカニズム

2リッター&3.2リッター、どちらも違った個性で魅力的

 TTクーペに乗るとボディの軽さによる軽快感がまず感じられる。TTクーペのラインナップは直列4気筒2.0Lの直噴ターボエンジンを搭載したFF車と、V型6気筒3.2Lエンジンを搭載したフルタイム4WD車の2モデルが設定されているが、2.0L車なら1300kg台、3.2Lの4WD車でも
1500kgを切る車両重量だ。これはアルミボディによるメリット以外の何者でもない。この軽さが軽快感につながっているわけで、アクセルワークにリニアに反応する加速フィールに直結している。
 
 2機種の搭載エンジンはVW-アウディグループのほかの各車に搭載されているもので、2.0Lが147kW(200ps)、3.2Lが184kW(250ps)の動力性能を発揮する。動力性能の差は明確にあるものの、車両重量はFFの2.0車のほうが100kg以上も軽く、しかもターボ仕様のエンジンによって1800回転という低い回転数で最大トルクを発生するので、走りの軽快感ではむしろこちらのほうが優位に立つほどだ。これは4WDシステムによる重さだけでなく、エンジンの違いによってフロント部分の重さが異なることも影響している。
 
 とはいえ、3.2Lエンジンの発生する余裕の動力性能と、定評あるフルタイム4WDシステムのクワトロの良さも捨てがたいものがある。しっとりした安定感と力強さにあふれた加速フィールは、3.2クワトロならではのものだ。よりスポーティな度合いの高い走りを選びたいなら3.2クワトロがお勧めである。

走りに対する面白いアプローチの装備が新鮮

 今回のTTクーペにはマグネティックライドがオプション設定されている。これは磁性粘性流体によるサスペンションの硬さを電子制御するもので、デルファイが開発したもの。すでにキャデラックなどにも採用されている。コンソールのスイッチによってスポーツモードが選択することが可能だが、スイッチ操作すると瞬時に乗り味が変わるのが分かる。なかなか優れモノのサスペンションである。
 
 このほか、車速に応じて自動的に立ち上がるリヤスポイラーなど、各種の特徴的な装備が用意されている。

●お勧めグレード

 2.0Lと3.2Lの2グレードが設定されていて、しかもFFと4WDという違いもあるので選び方が難しいが、予算に余裕があるならV型6気筒エンジンとクワトロの足回りを持つ3.2L車がお勧めだ。
 
 ただ、現実的な選択となると440万円で買える2.0TFSIがお勧めである。3.2クワトロの価格は574万円で、軽自動車1台分以上の価格差がある。これだと2.0L車を中心に考えざるを得ない。
 
 今年はアルファ・ブレラ、クーペ407、335iクーペなど、各車のクーペモデルが登場している。いずれも販売台数は限られるが、輸入車ファンにとって、さまざまな選択肢が提示されたことは大いに歓迎していい。

代表グレード
クーペ 2.0 TFSI
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4180×1840×1390mm
車両重量[kg]
1340kg
総排気量[cc]
1984cc
最高出力[ps(kw)/rpm]
200ps(147kw)/6000rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
28.5kg・m(280N・m)/5000rpm
ミッション
6AT
定員[人]
4人
税込価格[万円]
440.0万円
発売日
2006/10
レポート
松下 宏
写真
佐藤 靖彦
スタイル インテリア 走り&メカニズム