BMWは335iクーペ(E92)に続き、新型ターボエンジンを335iのセダン(E90)とツーリング(E91)にも追加した。この新型ターボエンジンはN54というコードネームで呼ばれる。
- この記事の目次 CONTENTS
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- 1.BMWにとって久しぶりのターボエンジン
- 2.排気量を抑えて実現できる「軽さ」
- 3.ターボでも抜群のエンジン音
- 4.BMW 335i クーペのスペック情報
1.BMWにとって久しぶりのターボエンジン
BMWのターボエンジンは久しぶりだ。3シリーズの前は745i(E23)という3代前の7シリーズだった。このときは直列6気筒3.5リッターにターボチャージャーを組み込んでパワーを上げたため、ネーミングを7シリーズの4.5リッター相当という意味で745iという表記とした。

トルクとパワーは排気量を上回るBMW335i
335iに搭載される新型直列6気筒エンジンも3リッターながらトルクとパワーは排気量を上回るため、330iではなく335iという表記になった。
このエンジンはツインターボというのがキーになる。3気筒ずつ小型のタービンを2個備えている。

2.排気量を抑えて実現できる「軽さ」
この新型エンジンの目的は軽量化である。同じトルクとパワーを得ようと思ったらV型8気筒4リッターエンジンが必要になる。しかし、直列6気筒ツインターボにすることでV型8気筒に比べて40kgも軽量化できるのだ。これで、3シリーズのボディの中でフロントに掛かる荷重を減らせるのだ。
そのメリットは大きい。ハンドリング、乗り心地、ブレーキング性能、メインテナンスコストも含めて大きな差になるからだ。

大排気量NAエンジンのような高性能フィールだが・・・
大排気量の代わりになるツインターボエンジンだからこそ、ターボラグをなくし、低回転域から太いトルクを発揮する。4リッターエンジン相当の最大トルク400Nmは、1300rpmから5000rpmまで発揮できる。
しかし、高速道路を走る限り、このエンジンをターボエンジンと判断するのは難しいだろう。市街地走行でもアクセルペダルを踏み始めたところからスーッと力がでることから、単なる大排気量エンジンに感じられる。

高回転レスポンス重視のM3のエンジンと比べると、大排気量のイメージであるため官能的ではないが、そのトルクを生かした走りは「速い」の一言に尽きる。
3.ターボでも抜群のエンジン音
ターボ装着車ではエンジンの音を楽しめないケースが多いが、335iクーペに乗る限り、エンジンを掛けるときから加速するところまでエキゾーストノートを楽しめるようにしているのはBMWらしい。
さらに、高回転域でも「もっと回りたい」とエンジンから要求されるような、BMWのテイストである気持ちよい走りが保たれている。

6速ATもシフト時間を約半分に短縮された新型が組み合わされるため、この太いトルクを生かした走りが可能だ。
3シリーズで最強のクルマは335iだ!
E46のM3が生産中止になったいま、3シリーズで最強のクルマが335iである。しかも、クーペだけでなくセダンとツーリングでも選べるというのは、これまで4ドアの速いクルマを求めていたドライバーには朗報だろう。
4.BMW 335i クーペのスペック情報
BMW 335i クーペのスペック情報は以下の通り。
代表グレード | 335i クーペ |
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4590×1780×1380mm |
車両重量 | 1620kg |
総排気量 | 2979cc(ターボ) |
最高出力 | 306ps(225kw)/5800rpm |
最大トルク | 40.8kg-m(400N・m)/5000rpm |
ミッション | 6AT |
10・15モード燃焼 | 8.9km/l |
定員 | 4人 |
税込価格 | 701.0万円 |
発売日 | 2006/09/21 |
写真 | 森山良雄 |
3シリーズのカタログ情報
- 現行モデル
- 平成31年3月(2019年3月)〜現在
- 新車時価格
- 452.0万円〜1116.0万円