サルでもわかるクルマ磨き! 水洗い編。

 皆さん、こんにちは。今月から達人の一人に加えさせて頂きました外川信太郎と申します。本業は自動車ライターですが、クルマ磨きは一応、プロの技術を習得しております。
 たまに自動車誌面などで「プロが教える洗車術」などといった企画を見かけますが、実態は、洗車業者とのタイアップが多く、業者の洗車技術を披露するだけといった内容がほとんど。シロートがそんなこと出来る訳ないだろ〜!と言いたいものばかりです。
 私はプロの技術を習得しておりますが、業者でも何でもありません。一般的な自動車保管である「青空駐車」を想定としながらも、最大限にクルマを輝かせるコツを伝授していきたいと思います。どうぞ宜しくお願い致します。

【水洗い編 秘伝その1】十分な水量を使いルーフからスタート!

サルでもわかるクルマ磨き! 水洗い編

 たかが洗車、されど洗車。水洗いはクルマ磨きの第一歩の作業なのです。水は上から下へ流れますので、まず最も高い部位であるルーフから水を掛けていきます。ホースの先端を窄めたり、ノズルを装着することで、水圧を増加することができ、塗装面に付着した砂や泥などの粒子状物質を効果的に洗浄できます。

【水洗い編 秘伝その2】流水+セーム革で下洗い。

サルでもわかるクルマ磨き! 水洗い編

 ボディ全体を十分な水流で洗い流したら、今度はホースを片手に持ち、もう一方の手にセーム革を持ちます。ホースの水流を弱めながら、水の流れに沿うようにセーム革をボディの上で軽く撫でます。この時点では砂やドロが完全に除去をされていませんから、この作業は決してゴシゴシと力を入れてはいけませんよ。

【水洗い編 秘伝その3】洗車用品にお金を掛ける必要はなし!

サルでもわかるクルマ磨き! 水洗い編

 ホコリが乗っているいるだけの状態でしたら、上記の作業だけでも十分きれいになりますが、雨天→晴天を繰り返した状態では、不十分といえます。そこでカーシャンプーを使用して軽度な水垢やこびり付いた汚れを除去していきます。カー用品店に行きますと、カーシャンプーだけでも数十種類も陳列されていますが、私がオススメなのは、100円程度で手に入る食器用洗剤(実は業者も愛用)。泡立ちが非常によく、野菜を洗えるほどの安全性から、塗装面に対する攻撃性も最低限なのです。
 スポンジは傷を付ける原因になりますから使用しません。プロは数千円もするムートンパッドを使用しますが、同等の柔らかさを持つ洗車ミットを使用します。ちなみにこれはダイソーで購入したもので、100円なり!

【水洗い編 秘伝その4】水圧でクリーミーな泡をつくる小技とは

サルでもわかるクルマ磨き! 水洗い編

 シャンプー洗車は、泡が命。大さじ一杯程度の洗剤をバケツに入れ勢いよく水を注ぎ、十分泡立てます。バケツから1mくらいの高さより水流を噴射するのが理想ですね。ここでちょっとした小技を伝授!洗剤に小さじ一杯のサラダ油を混入します。塗装の劣化は油分の欠落が原因。サラダ油が塗装の潤いを保ってくれます。洗剤の表面活性剤とサラダ油が混ざり合うので、フロントガラスの油膜原因にはなりませんのでご安心下さい。

サルでもわかるクルマ磨き! 水洗い編

 理想とされるシャンプー液は、ご覧のようにムートンパッドにすくえるほどなのです。

【水洗い編 秘伝その5】赤子の肌をなでるように優しく優しく

サルでもわかるクルマ磨き! 水洗い編

 塗装面に対しては決してゴシゴシと擦らずに、やさしく撫でるのが基本。クリーミーなー泡を常に切らさないようにムートンパッドに掬い、縦、横と格子状に動かし、最後に縦方向で終了。特に夏場は乾燥が早いので、ルーフ、ボンネットと部分的な作業を行い、すばやくすすぎを行います。洗剤が塗装面に残留すると、酸素や太陽光線によって化学反応を起こし、クレーター状の微細な凹みの原因となるので、要注意。

【水洗い編 秘伝その6】すすぎは念入りに!

サルでもわかるクルマ磨き! 水洗い編

 最後に、洗剤の残留がなくなるまで、十分な水量で、すすぎを行います。一見、泡が消えすすぎが完了したように見えても、成分が残っている可能性がありますので、セーム革を併用してやさしく擦りながら仕上げます。特にトランクやテールレンズの隙間などには、洗剤が残りやすいですので、必ずチェックしましょう。
すすぎが終わりましたら、ボディに残った水分をセーム革でふき取れば、水洗い作業はフィニッシュ!

 次回は、ホイール、バンパーなど塗装面以外の洗浄方法です。お楽しみに!

written by 外川 信太郎