フォード・モーター・カンパニー(以下、「フォード」)は、世界で初めて水素を専用燃料とするV10エンジンの生産を開始し、同エンジン搭載のE-450水素内燃シャトルバスを2006年後半に商用顧客向けに納入する。

 E-450水素内燃シャトルバスには、スーパーチャージャー付6.8リッターV10エンジンが搭載される。このシャトルバスは今年後半のフロリダ州への納入を皮切りに、以後は北米のさまざまな場所でフリート車として納入される予定。

 水素内燃エンジンは、高効率で規制対象汚染物質や温室効果ガス(CO2:二酸化炭素)をほぼ排出しないなど、数多くの利点を持つ。また、将来的には燃費効率をさらに高めるために、ハイブリッド化することも容易であるという。

 フォードは、水素内燃エンジンのシャトルバスを試験的に走行させてデータを収集する一方で、パワーと燃料効率をいっそう高める直接噴射式のような機能を含め、次世代の水素内燃エンジンの研究も行っている。また、6.8リッターV10エンジンは、多くのフォード車に搭載されているモジュラーエンジンをベースに、水素燃料を使用するための特別な改良を行い、実用条件化での高い効率と耐久性を達成している。