ミニバンらしからぬスポーティな走り
ザフィーラを走らせると、スポーティな印象がより強いものになる。日本に輸入されるのは、直列4気筒2.2Lの直噴エンジンを搭載したモデルだけだが、このエンジンがけっこう元気が良い。110kW(150ps)のパワーと215N・mのトルクはザフィーラのボディを軽快に走らせてくれる。ボディの拡大なども影響して車両重量が1500kgを超えているが、走りのフィールは想像以上に軽快感にあふれている。
重量が重くなったのは、剛性の高いしっかりしたボディが作られたことも関係しているだろう。ザフィーラの走りにはしっかりした安定感が感じられ、高架道路の継ぎ目をしなやかにこなしていくのは、ボディの作りの良さも貢献している。
4ATではあるけれど
ATが4速なのは今どきちょっとという印象がなきにしもあらずだが、乗り心地やステアリングのフィールなども含めてスポーティな味付けがなされている。しかもインパネに設けられたスポーツモードのスイッチを押すと、ATの変速スケジュールから、サスペンションの減衰力、パワーステアリングの操舵フィールなどがすべてスポーティな方向に振られ、一段とスポーティな走りを実現する。
ザフィーラのシャシーには、電子制御の連続可変ダンパーが採用されるのを始め、ESPプラスなど最新の電子制御技術がふんだんに採用されているのも見逃せない。
●お勧めグレード
ザフィーラには2グレードが設定されていてCDが269万円、スポーツが299万円の価格。(※編集部注:2006/3の仕様変更でグレード体系に変更が生じている)どちらを選んでもライバルのトゥーランやグランセニックと比べて十分に競争力のある価格といえる。スポーツを選ぶとモードの切り換えがスイッチによって、AT、サスペンション、ステアリングなどが変わるのが特徴で、電子制御の連続可変ダンパーコントロールが装備される。スポーツにしなくても十分にスポーティなクルマなのでCDを選んでも良いかと思う。CDを選ぶとパノラマルーフやアダプティブライトなどのオプションが選択できなくなるのが難点だ。