アロンソ4連勝!F1第9戦カナダGP

北米2連戦の開幕

アロンソ4連勝!F1第9戦カナダGP

 F1GPも9戦目の丁度折り返し点を迎えた。とはいえ、今年は8戦中6戦でルノーが優勝し、そのうち5勝を昨年王者のフェルナンド・アロンソが優勝している。昨年はフェラーリの大不振(ブリヂストンの大不振?)により、ルノーVSマクラーレン・メルセデスの争いだった。リタイアが少なくなおかつ強さを身に付けたアロンソがチャンピオンとなったのだが、今年はフェラーリの強さは復活したものの、ルノーの強さはそのフェラーリをも圧倒するものである。

 今年のチャンピオン候補はアロンソとミハエル・シューマッハのふたりに絞り込まれたといえるが、実質的にはアロンソのチャンピオン獲得はほぼ間違いないとする見方が多い。終盤でルノーが失速し、フェラーリやマクラーレンが更に強さを増せば・・・・と、淡い期待が残りのチャンピオンシップの楽しみといえる。(ルノーの失速は楽しくないが。)
 フェラーリやマクラーレンにとって、ここカナダと次戦アメリカでの戦いがシーズンを決定するともいえる大切なグランプリとなる。またルノーとしても今シーズンのチャンピオンシップを確実とするためにはふたつとも勝ちたいグランプリである。

際立つルノーの速さ!

アロンソ4連勝!F1第9戦カナダGP

 3つのピリオドに分かれる予選では、スーパー・アグリF1の2台と、ミッドランド・トヨタの2台が定位置を占める。今回予選アタックに失敗したウィリアムズ・コスワースのマーク・ウェバーが16位と第2ピリオドに進めず。第2ピリオドではBMWザウバーのジャック・ビルニューブやニック・ハイドフェルド、トヨタのラルフ・シューマッハらが脱落した。

 最終ピリオドで速さを発揮したのはやはりルノーの2台で、アロンソがポールポジションを獲得、同僚ジャンカルロ・フィジケラが2番手を獲得した。3位マクラーレンのキミ・ライコネン、4位にトヨタのヤルノ・トゥルーリが入りラルフとは好対照だ。そして、今年のチャンピオンシップをまだあきらめていないフェラーリのミハエルは5位と不本意な結果となっている。

荒れたレースもルノーの牙城は崩れない

アロンソ4連勝!F1第9戦カナダGP

 6月25日、迎えた決勝レースは2回のセーフティカー導入により荒れた決勝レースとなる。スタートでは2番手のフィジケラがミスしライコネンに先を行かれる。1位アロンソにライコネンがピッタリ食いつくペースで周回するも、2週目にウィリアムズのニコ・ロズベルグとマクラーレンのファンパブロ・モントーヤが接触しロズベルグがウォールにクラッシュしセーフティカーが導入される。再スタート後もトップのアロンソと2位ライコネンの順は変わらず、ライコネンがアロンソを追い越す勢いだったが、徐々にその差が開いていった。ここからアロンソの独走が始まる。

 5番手スタートのミハエルは、7周目のフィジケラのドライブスルーペナルティ(ジャンプスタート)で4位へ、24周目にトゥルーリを抜き3位へ。しかし、ここまでで2位のライコネンとは大きな差をつけられてしまった。また、アロンソとライコネンの差も大きく大方の順位は確定かと思われた。
 全てのマシンが2回目のピット作業を終えた58周目。地元出身のジャック・ビルニューブがクラッシュ。2度目のセーフティカーが導入された。ここで、トップアロンソと2番手ライコネン、3番手ミハエルの差が縮まったが、共に周回遅れを間に挟む形で再スタートが切られる。アロンソは見事に再スタートを決め、ライコネン以下は周回遅れに阻まれまた差が広がってしまう。しかし、ミハエルがそこからライコネンを追い上げる。

 残り3週となったところで、ライコネンがミスした所を背後に迫っていたミハエルがパス。そのままゴールし、アロンソが4連勝、ミハエル2位、ライコネン3位となった。4位はペナルティがあったものの挽回したフィジケラ、5位フェラーリのフェリペ・マッサ、6位トヨタのトゥルーリ、7位BMWのハイドフェルド、8位に終盤でホンダのジェンソン・バトンを抜いたレッドブルのデビッド・クルサードの順となった。日本勢は唯一トゥルーリのみがポイント獲得となる。

次戦はインディアナポリス

アロンソ4連勝!F1第9戦カナダGP

 カナダもアロンソが制し、チャンピオンシップ争いはルノーとアロンソの獲得が濃厚となってきた。続くアメリカも連戦であることから各チームのマシンは殆ど改良されない。このカナダの順位がアメリカでも有力だろう。
 昨年のアメリカGPはミシュランタイヤを履くチームが決勝レースをボイコットし、決勝レースはブリヂストンタイヤを履く6台のみで行われた。優勝はフェラーリのミハエルだったが、笑顔のない表彰台でなんとも後味の悪いGPとなった。フェラーリ唯一の優勝である。

 今年はタイヤ交換が復活し、ミシュラン勢とブリヂストン勢の争いは白熱するだろう。無論アロンソの連勝か、ミハエルやライコネンがそれを阻止するかが見所となる。インディアナポリスのオーバルコースを一部利用する高速区間の争いなど見所は満載だ。ミハエルとライコネンに奮起して欲しい。