Z4に搭載されるエンジンは、今回のマイナーチェンジで標準モデルも新しいものに変わった。基本的には先にデビューした新型3シリーズに搭載されるのと同じエンジンで、これに電子制御6速ATが組み合わされる。3.0siではパドルシフト付きのスポーツATとなる。
Mロードスターでは、搭載エンジンが3.2Lの直列6気筒エンジンになる。このエンジンは252kW(343ps)の強力なパワーを発生するが、その最高出力を発生する回転数が7900回転という超高回転型エンジン。365N・mの最大トルクも4900回転で発生している。
アクセルを踏み込むとタコメーターの針が跳ね上がるように反応し、パワーの盛り上がりを伴って気持ち良く吹き上がっていく。Z4の重量は1500kg以下と軽いこともあって、文字通り豪快な加速フィールが味わえる。6速MTのトランスミッションは短いストロークでカチッカチッと決まり、シフト操作も気持ち良いものだ。
車高を15mm下げた専用のスポーツサスペンションは相当に硬めのチューニング。コーナーでの安定性が高く、ほとんど車体を傾けることなく軽快に駆け抜けていくことができる。ただ、ワインディングなどを元気良く走るときにはとても良いが、日常的にこの足回りのクルマに乗っていたいかというと考えさせられる部分もある。
Mロードスターの高いシャシー性能を象徴するのがブレーキで、これはM3用のブレーキをサイズアップして移植したものだけに効き具合は強烈。時速100kmからのフルブレーキング時にはわずか34mで停止できるという。
●まとめ
クルマの性能の高さで考えたら、選びたいのは断然Mロードスター。オープンカーの爽快な走り、本格的なスポーツカーとしての走りの気持ち良さ、高い操縦安定性など、どれをとっても超一級のクルマに仕上げられているからだ。ただ、価格もべらぼうに高くて、800万円台に乗ってしまう。普通に買えるクルマでないことは確かだ。
これに対してZ4ロードスターの2.5iなら価格は400万円台前半。いろいろなオプションを装着しても500万円くらいで上がる。これならグンと現実的な選択になるだろう。実際に2.5iを走らせても相当にスポーティな実力を持つのは間違いない。一般のユーザーが乗って楽しさを引き出せるのは2.5iのほうだと思う。