【VW ポロ GTI 試乗記】初代ゴルフGTIの志、今ここに復活！

ポロGTIの心臓は実に強力なものだ。1.8リッター4気筒ターボエンジンは150馬力の最高出力をマーク。またそれに留まらず中低速域での豊かなトルクを特徴とする。軽量な車重の影響もあって、相当速く走らせられるだろう。

ドイツ車の伝統として「エンジンより速い足」という概念があるが、このクルマにもその考えは息づいており、実に安全な速さをもったクルマと言える。15mmローダウンされたスプリング、大径赤色ディスクローターなどどれをとってもGTIのこだわりを感じさせるものだ。

　搭載される直列4気筒DOHC＋インタークーラー付きターボのエンジンは、110kW/220N・mのパワー＆トルクを発生する。このエンジンはVW/アウディ系のいくつかの車種に搭載されているもので、軽快な吹き上がりと低速域からのトルクフルな走りが身上。トルク伴った力強い走りを実現する。強力なエンジンが比較的軽いポロのボディに搭載されているので、走りのフィールは相当にスポーティなものとなる。
　ボディは2/4ドアがあるが、全車とも右ハンドルの5速MT車のみの設定。ペダルレイアウトやペダルのストロークが大きめな点がやや気になるが、カチッとしたシフトフィールなども好感の持てるものだ。
　足回りは相当に硬い。ただ、ロールを抑えたフラットな走りを実現する割に乗り心地がスポイルされていないのは、しっかりしたボディ作りが貢献している。ボディ剛性の高さはゴルフなどにも共通するVW車の良さである。ステアリングのフィールは十分な手応えを感じさせながらもやや柔らかめの印象だ。

●お勧め

　GTIは単一グレードなので特にお勧めグレードはないが、ボディは2/4ドアの設定がある。スポーツ志向を追求するなら2ドアが良いが、使い勝手を考えると4ドアのほうが便利。後席への乗降性に決定的な違いがあるほか、ちょっとした荷物を積むにもリヤドアがあることの便利さが大きい。

代表グレード	GTI 4ドア
ボディサイズ［mm］（全長×全幅×全高）	3915×1665×1465mm
車両重量［kg］	1210kg
総排気量［cc］	1780cc
最高出力［ps(kw)/rpm］	150ps(110kw)/5800rpm
最大トルク［kg-m(N・m)/rpm］	22.4kg-m(220N・m)/1950-4500rpm
ミッション	5速MT
10・15モード燃焼［km/l］	13.2km/l
定員［人］	5人
税込価格［万円］	249.9万円
発売日	2005/12/20
レポート	松下宏
写真	佐藤靖彦