古くはセリカのセダン版としてセリカ・カムリの名前でスタートし、2代目モデルからはビスタ/カムリとしてトヨタの上級FF車の歴史を歩んできた。この間、国内向けとアメリカ向けではボディの(全幅が)異なるカムリを作っていた時代もあったが、今では世界のマーケットに基本的に同じボディのカムリが供給されている。
アメリカではアコードやトーラスとのベストカー争いから完全に抜け出し、長期にわたって乗用車販売ランキングの首位に君臨するクルマとなっている。アメリカでの約40万台に加え、カムリのベースのレクサスESやクーペボディのソラーラなどを加えたり、あるいはアジアやヨーロッパで売れるカムリも加えると、トヨタブランドを代表する上級FFセダンとして屋台骨を支えるクルマである。
日本市場では月に1000台の販売目標台数とあまり売れないクルマになってしまったが、アメリカ向けを基本に世界のアッパーミドルクラスをリードするトヨタの最上級FF車として力の入ったクルマ作りがなされている。
4WD車は月に100台か150台しか売れないと思われるのに、日本市場向けの専用モデルとしてラインナップしていることも、日本向けを重視する姿勢の表れだ。
全長を抑えながらもホイールベースを延長することで、前後のオーバーハングを切り詰めた新しいデザインになった。大きなキャビンが強調された斬新な感覚の新しいデザインとなったのが今回のモデルの特徴である。外観デザインからはデザイナーが主張するほどにはダイナミックさや知的なたたずまいは感じないが、従来に比べて存在感のあるデザインになったのは確か。